【Eichendorfの詩 36】Erinnerung (思い出)
【原文】
Erinnerung
Lindes Rauschen in den Wipfeln,
Voeglein, die ihr fernab fliegt,
Bronnen von den stillen Gipfeln,
Sagt, wo meine Heimat liegt?
Heut im Traum sah ich sie wieder,
Und von allen Bergen ging
Solches Grüßen zu mir nieder,
Dass ich an zu weinen fing.
Ach, hier auf den fremden Gipfeln:
Menschen, Quellen, Fels und Baum,
Wirres Rauschen in den Wipfeln -
Alles ist mir wie ein Traum.
【散文訳】
思い出
梢(こずえ)の中の心地よい葉ずれの音よ
飛び立って、遠く離れ行く、お前達、小鳥よ
静かな山頂の泉よ
我が故郷がどこにあるのか、言ってくれ。
今日夢の中で、我が故郷を再び見た
そして、総ての山々から
挨拶が、わたしの所に降りて来たので
わたしは泣き始めたほどだった。
ああ、この見馴れぬ山頂で
人間達、泉、岩、そして樹木
梢の中で混乱した葉ずれの音
すべては夢のように、わたしには思われる。
【解釈と鑑賞】
思い出と題した詩の1つめです。全部で二つの詩からなる詩です。
第1連の葉ずれの音は、優しい、心地よいものであるのに、最後の連の葉ずれは、混乱しているというところに変化があります。
第2連を読んでも、やはり、この詩人のこころには、何か外れたもの、異なるもの、異界にある自分というものがあるのに違いありません。
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