2013年5月18日土曜日

Genealogie(系図):第21週 by Hermann Wallmann(1948 - )




Genealogie(系図):第21週 by Hermann Wallmann(1948 -  )



【原文】

geneagolie

ohne den schatten
den ikarus wirft
könnten wir den nicht
nicht ertragen

                    fuer Jo


【散文訳】


系図

イカルスの投げかける
影なくしては
あいつには、決して
決して、堪えることができないだろう。

               Joのために



【解釈と鑑賞】


この詩人のWikipediaがありませんでしたので、代わりに、



ドイツの詩人です。

詩は短いのですが、随分と複雑な仕掛けのある詩です。

仕掛けは、ふたつあります。

ひとつは、あいつと訳したdenという代名詞。もうひとつは、否定の言葉を二度繰り返しているところです。

このあいつと訳した、彼をというこの彼が誰なのか?もし彼と訳したdenは、次の3つの場合があります。

1。彼、あいつ(この詩の外にいて呼ばれる男性)
2。イカルスの影
3。イカルス自身

そうして、この詩は、Joと呼ばれるひとのために献呈されています。

ということは、詩人とこのJoのふたりが知っているあの男、あいつ、なのでしょうか。

題名が系図であることを考慮に入れると、あいつ、彼とは、何か系統を継ぐ立ち場の人間なのでしょうか。

イカロスの投げかける影とは何をいっているのでしょうか。

イカロスについての、Wikipediaの記述です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/イカロス

太陽に近付いて飛ぶイカロスの影。熱さを避けることができるということが、イカロスの影の意味でしょうか。

随分とふくみの多い詩のようです。

そうしてみると、nichtを二回続けるというのも、何か強い感情を感じます。

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