2012年11月21日水曜日

【Eichendorfの詩 17-1】Der verliebte Reisende (恋する旅人)


【Eichendorfの詩 17-1】Der verliebte Reisende (恋する旅人) 

【原文】

                       1
  
Da fahr ich still I'm Wagen,
Du bist so weit von mir,
Wohin er mich mag tragen,
Ich bleibe doch bei dir.

Da fliegen Waelder, Kluefte
Und schöne Täler tief,
Und Lerchen hoch in Lüften,
Also ob dein' Stimme rief.

Die Sonne lustig scheinet
Weit über das Revier,
Ich bin so froh verweinet
Und singe still in mir.

Vom Berge geht's hinunter,
Das Posthorn schallt im Grund,
Mein' Seel wird mir so munter,
Grüß dich aus Herzensgrund.


【散文訳】

            1

こうして、わたしは、静かに馬車に乗って走っているが
お前は、わたしのところから、かくも遠く
馬車はわたしをどこへと運ぶのか
わたしは、お前のもとに留まりたいというのに



森という森も、崖という崖も飛び去り
そして、美しい谷という谷が深く
そして、雲雀たちが高く空を飛ぶ
恰もお前の声の叫ぶように

太陽は陽気に輝き
猟区を遥かに広く亘って
わたしはかくも歓びに泣いている
そして、わたしの中(こころの中)で静かに歌う

山は傾斜になって下り
郵便馬車の角笛は、地底で鳴り響く
わたしの魂は、かくも陽気であり
お前に心の底から挨拶をする。


【解釈と鑑賞】

恋する旅人と題した詩の最初の詩です。

全部で6つの詩からなっています。

これから、この詩がどのように展開するものか、注目しましょう。

陽気なという言葉が、3つ出て来ています。それは、munterとfrohとlustigという言葉です。

明らかにアイヒェンドルフは、このみっつの言葉を使い分けています。

Grimmの辞書をひきますと、munterは、活発に、新鮮になにかをすること、frohは、満足の状態で喜ぶこと、lustigは、欲求があって、何かを求めること、それぞれの意味で、陽気だ、楽しい、愉快だという意味になります。

といっても、訳し分けることはなかなか難しいものがあります。






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