【西東詩集20】 Ankalge(告発)
【原文】
Anklage
Wisst ihr denn auf wen die Teufel lauern,
In der Wüste, zwischen Fels und Mauern?
Und, wie sie den Augenblick erpassen,
Nach der Hölle sie entführend fassen?
Lügner sind es und der Bösewicht.
Der Poete warum scheut er nicht
Sich mit solchen Leuten einzulassen!
Weiss denn der mit wem er geht und wandelt,
Er, der immer nur im Wahnsinn handelt?
Grenzenlos, von eigensinngem Lieben
Wird er in die Oede fortgetrieben,
Seiner Klagen Reim', in Sand geschrieben,
Sind vom Winde gleich verjagt;
Er versteht nicht was er sagt,
Was er sagt wird er nicht halten.
Doch sein Lied man lässt es immer walten,
Da es doch dem Koran widerspricht.
Lehret nun, ihr des Gesetzes Kenner,
Weisheit-fromme, hochgelahrte Maenner,
Treuer Mosleminen feste Pflicht.
Hafis insbesondre schaffet Aergernisse,
Mirza sprengt den Geist ins Ungewisse,
Saget was man tun und lassen müsse?
【散文訳】
告発
お前達は、一体全体、誰に対して悪魔達が待ち伏せているかを知っているのか
荒野の中、岩と壁の間で?
そして、どのように奴らがその一瞬を待ち構えて捕まえるかを
地獄へと、奴らが捕まえて誘拐するかを?
嘘つきどもがいるのだ、そして、悪人どもが。
詩人は、何故厭わないことがあろうか
そのような人間達と陰謀を企てることを!
お前達は、一体全体、そいつが誰と一緒に行き、彷徨(さまよ(うのかを知っているのか
そいつ、そのいつも狂気の中で振る舞う奴が?
際限なく、利己的な愛情によって
荒野の中に追い立てられ
その嘆きの韻律が砂の中に書かれ
風によってただちに追い払われている
奴は自分の言っていることを理解せず
自分の言っていることを守ろうともしない。
しかし、世間は、そいつの歌をいつも意のままに広め
見ろ、勿論コーランに反しているというのに
さあ、そうしてみれば、教えてみよ、お前達法律の玄人達よ
智慧を備えて敬虔なる、知識高き男達よ
忠実なるモスリムの堅き義務を
ハーフィスはとりわけ怒りを創造するのだろうか
ペルシャの王子は、精神を不確かなものの中へと爆発させるのだろうか
何をなし、何をなさねばならぬかを言うものだろうか?
【解釈】
前の、この巻の最初の詩では、ハーフィスと全く自分は同じだと歌ったゲーテは、このふたつめの詩では何を歌っているのでしょうか。
わたしの読んでいる詩集の註釈によれば、この詩と、次のFetwa、そして、Der Deutsche danktという3つの詩は、ひとまとまりの3連作だと言っています。そのつもりで、次の2作を読むことにしましょう。
第3連の王子とは、ハーフィスの言い換えです。このMirzaというペルシャ起源の血統の皇統については、次のWikipediaがあります。
http://en.wikipedia.org/wiki/Mirza
最後の連の疑問文は、反語の疑問文で、そんなことは、詩人の仕事ではない、知った事かという意味です。
告発という法律用語を使って歌っていますので、ゲーテはこの詩で法律と法律家を皮肉り、世間にあ真っ向からa挑戦をしています。
しかし、お前達が正しいのではない、コーランの教えを血肉にして自由闊達な歌を歌う詩人、ハーフィスこそ、そうしてその遺髪をドイツにおいて継ぐ、このわたしこそ正しい者だというゲーテの声が聞こえて来ます。
これは、ゲーテの告発の詩です。
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