2012年11月23日金曜日

第49週: Das lange Gedicht by Harald Hartung (1932 - )




第49週: Das lange Gedicht by Harald Hartung (1932 -  ) 

【原文】

Das lange Gedicht

Die jaehe Kuehle
immitten der Hadesgestalten -
das könnte aus einem Gedicht sein
Blau käme mehrfach drin vor
einmal auch gülden
wüsste man nur was das meint.


【散文訳】

長い詩

急激な寒さが
黄泉の国の姿の真ん中で
それは、一篇の詩の中からでてきたのかも知れない
青が、幾重にも、その中に現れていて
また実際、それは、金だと
それがそうだと言えば、それだけを、ひとは知っているのかも知れない。

【解釈と鑑賞】

この詩人のWikipediaです。

http://de.wikipedia.org/wiki/Harald_Hartung

動詞は総て接続法II式(英語の非現実話法)になっていて、読んでいて、何か儚い、夢幻的な感じがする一方で、しかしやはり現実感のある詩となっています。

結局、この詩は何を歌っているのでしょうか。と、そうまとめてみると。

詩が、寒さ、冥界の真ん中にある寒さを生むということ。あるいは、逆にその寒さから、詩が生まれるということをも感じさせる。

青という色彩と黄金色の色彩とが、これが詩の色だということ。そういう色彩を現出せしめている何ものかが、詩を生むのであり、それをひとは接続法II式(非現実話法)でしか歌うことができないということ。

と、このように考えて来ると、この詩の題名は長い詩というものですが、詩自体は極く短く、しかしその歌うところは、詩の本質を歌っているので、命が長い、どの時代の詩にも通じる詩だという意味になるのでしょうか。




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