2014年8月23日土曜日

【西東詩集82】 Hatem


【西東詩集82】 Hatem


【原文】

Hatem

Nun wer weiss was sie erfüllet!
Kennt ihr solcher Tiefe Grund?
Selbstgefühltes Lied entquillet,
Selbstgedichtetes dem Mund.

Von euch Dichterinnen allen
Ist ihr eben keine gleich:
Denn sie singt mir zu gefallen,
Und ihr singt und liebt nur euch.


【散文訳】

ハーテム

さて、ズーライカが満たすのは何かを、誰が知ろうか!
お前達は、そのような深みの根底を知っているのか?
自分で感じている歌が湧出る
自分で創作した歌が、唇から湧出るのだ。

お前達、女性の詩人達みなの内には
丁度同じ女性は、いやしないのだ。
というのも、ズーライカは、わたしに気に入るように歌ってくれるが
しかし、お前達は、ただ自分たちのために歌い、愛するだけなのだから。


【解釈と鑑賞】

前の娘の歌に答えた歌ということになります。

このような遊びの歌が歌えるようになることが、人間の成熟というものなのだと思います。

苦しんでいるうちは、まだ足りない。と、そう思います。勿論、苦しみを歌うことも、大切であり、人間の業(わざ)ではありますけれども。

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