2014年4月26日土曜日

【西東詩集66】 GINGO BILOBA(銀杏)


【西東詩集66】 GINGO BILOBA(銀杏)


【原文】

DIESES Baums Blatt der von Osten
Meinem Garten anvertraut
gibt geheimen Sinn zu kosten
Wie’s den Wissenden erbaut.

IST es Ein lebendig Wesen
Das sich in sich selbst getrennt?
Sind es Zwei die sich erlesen
Dass man sie als Eines kennt?

Solche Frage zu erwidern
Fand ich wohl den rechten Sinn;
Fühlst du nicht an meinen Liedern
Dass ich Eins und doppelt bin.


【散文訳】

この樹木の葉は、東から来て
わたしの庭に任せていて(親しく)
秘密の感覚を享受するように与えてくれる
物事の本質を知っている者を教化、善導するように。

それ(葉)は、一個の生き生きとした生物であり
それ自身の内に自ら分かたれているものではないのだろうか?
それ(葉)は、互いを選んだふたつであって
そのふたつをひとつとして知るものなのではないのだろうか?

このような問いに答えることが
まさしく正しい感覚だということを発見したのだ
お前は、わたしの歌々に接して感じないだろうか
わたしが、ひとつであり、且つふたつになっているということを。


【解釈と鑑賞】

銀杏の葉っぱは、ひとつの葉がふたつに分かれているので、そのこころを、自分と恋人のありかたに譬えた詩で、これは有名な詩です。

Heidelbergの街中を散歩しているときに、書店の窓にでありましたか、この詩を写して、銀杏の葉っぱを象(かたど)ったワッペンのごとき装飾をみたことがあります。



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