2014年4月5日土曜日

【西東詩集63】 Suleika

【西東詩集63】 Suleika


【原文】

Suleika

HOCHBEGLUECKT in deiner Liebe
Schelt ich nicht Gelegenheit;
Ward sie auch an dir zum Diebe,
Wie mich solch ein Raub erfreut!

Und wozu denn auch berauben?
Gib dich mir aus freier Wahl;
Gar zu gerne moecht ich glauben―
Ja! ich bins die dich bestahl.

Was so willig du gegeben
Bringt dir herrlichen Gewinn,
Meine Ruh, mein reiches Leben
Geb ich freudig, nimm es hin.

Scherze nicht! Nichts von Verarmen!
Macht uns nicht die Liebe reich?
Halt ich dich in meinen Armen,
Jedem Glück ist meines gleich.


DER Liebende wird nicht irre gehen,
Waers um ihn her auch noch so trübe.
Sollten Leila und Medschnun auferstehn,
Von mir erführen sie den Weg der Liebe.

ISTS möglich dass ich Liebchen dich kose!
Vernehme der göttlichen Stimme Schall!
Unmöglich scheint immer die Rose,
Unbegreiflich die Nachtigall.


【散文訳】

ズーライカ

あなたの愛の中で、高く幸福になって
わたしは(それそのものが泥棒だというその)機会を非難は致しません
機会が実際あなたの場合には泥棒になったというのであれば
そのような略奪は、何とまあわたしを喜ばせたことでしょうか!

そして、何のために一体また略奪をするのでしょうか?
自由な選択肢の中から、あなたをわたくしにお与え下さい
全く喜んで、わたしは信ずることに致します
そうです、わたしこそ、あなたを盗む者なのです。

このように、あなたが喜んで与えて下さったものが
あなたに素晴らしい利益をもたらします。
わたしの休息、わたしの豊かな人生を
わたしは喜んで与えましょう、どうぞ、それらをおとり下さい。

冗談をおっしゃってはいけません!貧しくなるなどいうことは何ものでもありません!
愛は、わたしたちを豊かにするのではありませんか?
わたしはあなたを、わたしの両の腕(かいな)に抱くのです
わたしの幸福は、どの幸福にも似ているのです

愛する者は、道を踏み外しません
たとえ、愛する者のことで、こうやって、実際まだこのようにくすむことがあるとしても。
ライラとメデゥシュンがもし蘇ったならば
ふたりは、わたくしから、愛の道を学んで、歩むことでしょう。

わたしが、可愛いあなたを愛撫するということがあるなんて!
神々しい声の響きをお聴きなさい!
薔薇の花は、いつもあり得ないことに見えるものです
夜啼き鴬は、理解できないものに見えるのものです。



【解釈と鑑賞】

前のHatemの詩の内容を受けて、Sulaikeが更に一層それを深く解釈して歌っています。本当にこれが相聞歌であろうという感じが致します。

Vernehme der göttlichen Stimme Schall!を
神々しい声の響きをお聴きなさい!

と訳しましたが、この神々しい声とは、Hatemの声のことでせう。あなたは、あなたがどのような存在かがわからないの?と、言っているのです。最後の2行も、そのこころから生まれた2行だと思います。



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