2015年7月26日日曜日

Er wünscht sich die Tücher des Himmels(彼は天国の手巾(ハンカチ)が自分にあればよいと願ふ):第29週 by William Butler Yeats(1839~1922)



Er wünscht sich die Tücher des Himmels(彼は天国の手巾(ハンカチ)が自分にあればよいと願ふ):第29週 by William Butler Yeats1839~1922 




【原文】


Er wünscht sich die Tücher des Himmels
Hätte ich die reichgestickten Himmelstücher
Gewirkt aus goldenem und silbernem Licht.
Die blauen und die matten und die dunklen Tücher
Von Nacht und Licht und halbem Licht,
Ich breitete die Tücher dir zu Füssen:
Doch weil ich arm bin, hab ich nur die Träume;
Die Träume breit ich aus vor deinem Füssen:
Tritt leicht darauf, du trittst auf mein Träume.



【散文訳】

彼は、天国の手巾(ハンカチ)が自分にあればいいなと願ふ
もしわたしが、贅沢に刺繍された天国の手巾を持つてゐれば
金と銀との光から織られた天国の手巾を持つてゐればなあ。
青色の、鈍色の、そして暗い闇色の手巾を
夜と光と薄明かりの光から成る手巾を
わたしは、それらの手巾をお前の足元に広げるのだ
しかし、わたしは貧しいので、夢しか持つてゐるものはないのだ
幾つもの夢を、わたしは、お前の足元に広げ
その手巾を踏んでご覧、お前は、わたしの夢の上を踏んで来るのだ。


【解釈と鑑賞】


この詩人は、勿論名高いアイルランドの詩人です。1923年にノーベル文学賞を受賞。

この詩人のWikipedia:


日本語のWikipediaの記述は誠に貧しく、哀れであるので、英語のものを引きます:



Samuel BeckettもJames JoyceもYeatsもまだ他にもアイルランドの作家詩人がをりませうが、いづれもわたしの好みであり、実に親近感を覚える藝術家たちです。

音楽も、アイルランドの音楽は哀切な調子があって、わたしの好みであるのは、不思議です。

ケルト民族は、大陸のヨーロッパからキリスト教によって追いやられたわけですが、やはり唯一絶対のGott, Godといふ思想は、非常に攻撃的であるやうに思はれます。共存共栄といふことがない。


歴史の時間の針を元に戻すわけには参りませんけれども。

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