【Eichendorfの詩124】 Symmetrie (対称)1810
【原文】
【原文】
Symmetrie (対称)
O Gegenwart, wie bist du schnelle,
Zukunft, wie bist du morgenhelle,
Vergangenheit so abendrot!
Das Abendrot soll ewig stehen,
Die Morgenhelle frisch dreinwehen,
So ist die Gegenwart nicht tot.
Der Tor, der lahmt auf einem Bein,
Das ist gar nicht zu leiden,
Schlagt ihm das andre Bein entzwei,
So hinkt er doch auf beiden!
【散文訳】
対称 1810
おお、現在よ、お前はなんと素早い
未来であるのか、お前はなんと朝の明るい
過去であるのか、そのやうに夕暮れの赤色をしたままで!
夕暮れの赤い色は、永遠に立つ定めであり
朝の明るさは、新鮮に、その赤い色の中に吹き込む定めなのだ
さういふわけで、現在は死なずにゐるのだ。
馬鹿者は、片方の脚が麻痺してゐるのだが
それは、少しも我慢できないことではない
馬鹿者のもう一つの脚をまつ二つに打ち砕いてやるがいい
すると、馬鹿者はびつこひきひき両脚で歩くのだ!
【解釈と鑑賞】
この第2連目の馬鹿者とは、みづからの戯画化した自画像でありませうか。
この対称といふ詩の題名からいつて、最初の連は、現在を中心にして、朝と夕方の対称を歌つてゐる。
第2連は、何の対称を歌つてゐるのだらうか。
一つは、片方の脚ともう一方の脚と。その間に跛行して歩く自分がゐる。
何か、前の二つの詩といひ、この詩といひ、1810年といふ年は、この詩人にとつては辛いことのみ多い年であつたやうに、これらの詩を読むと、思はれます。
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