【Eichendorfの詩 18】Rueckkehr (帰還)
【原文】
Rueckkehr
Mit meinem Saitenspiele,
Das schoen geklungen hat,
Komm ich durch Länder viele
Zurück in diese Stadt.
Ich ziehe durch die Gassen,
So finster ist die Nacht,
Und alles so verlassen,
Hätt's anders mir gedacht.
Am Brunnen steh ich lange,
Der rauscht fort, wie vorher,
Kommt mancher wohl gegangen,
Es kennt mich keiner mehr.
Da hoert ich geigen, pfeifen,
Die Fenster glänzten weit,
Dazwischen drehn und schleifen
Viele fremde, froehliche Leut.
Und Herz und Sinne mir brannten,
Mich trieb's in die weite Welt,
Es spielten die Musikanten,
Da fiel ich hin im Feld.
【散文訳】
Rueckkehr
帰還
わたしの弦の演奏、
それは美しく鳴り響いたのだが、
その演奏を以て、わたしは多くの国々を通って
この町の中に帰って来る。
わたしは数々の小路を通る
かくも暗いのは、夜だ
そして、すべては打ち捨てられていて
すべてが、わたしには別様のものかと思われた。
泉のところに、わたしは長い事立ち
泉は潺湲(せんかん)たる音を立て続け、それは以前のままであり
幾多の人々が、確かにやって来たが
だれも、わたしを知るものがいない。
そこで、わたしはヴァイオリンを奏で、笛を吹くと
窓という窓が、遥かに輝き
窓窓の間で、廻り、そして滑るように踊るのは
多くの、見知らぬ、陽気な人々である。
そして、わたしの心臓と感覚が燃えた
それが、わたしを、遥かな世界の中へと駆り立てた
音楽家たちが演奏をしていた
そこで、わたしは野原の中で、倒れ伏した。
【解釈と鑑賞】
話者である音楽家が、自分のいた町に帰って来ても、そこには見知らぬひとたばかりがいた。
そのような人々との交流ができるのは、ただただ音楽を演奏することによってであり、それは、普通の通俗的な交流とは、やはり、全然違っている交流であることがわかります。
見知らぬ音楽家達の演奏する中で、この主人公は死ぬのでしょうか。
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