愛する人のために
保険にはダイヤモンドの輝きもなければ、
パソコンの便利さもありません。
けれど目に見えぬこの商品には、
人間の血が通っています。
人間の未来への切ない望みが
こめられています。
愛情をお金であがなうことはできません。
けれどお金に、
愛情をこめることはできます、
生命をふきこむことはできます。
もし愛する人のために、
お金が使われるなら。
これは、日本生命という生命保険のおばさんが置いていったクリアフォルダーの表に書かれてあった、谷川俊太郎の詩だ。
「けれど目に見えぬこの商品には、/人間の血が通っています。」という一文は、アイロニーなのだろうなあ。そう思わなければ、読むことができない。何故ならば、保険という商品は、個人が死に対して抱く恐怖心を利用して、それに基づいて(計算もしてー保険数学という数学がある)販売されているからだ。
その個人の抱く恐怖心を、「人間の未来への切ない望みが/こめられています。」と書いているのだろう。
この詩は、この通りで、何も解釈など必要ないのだな。
哀悼
2 件のコメント:
どうしようか?と迷いましたが、やはりお伝えします。実は「谷川俊太郎」のこのような詩もあります。
http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_03/poem_hyo.php?p=28
Akiさん、
谷川俊太郎の当該ページに飛ぼうとしても、行けません。別途、メールかなにかでURLアドレス、教えてください。
コメントを投稿