2014年7月5日土曜日

Fernreise(長距離旅行):第28週 by Gyroir Eliasson



Fernreise(長距離旅行):第28週 by   Gyroir Eliasson






【原文】


Die längliche schwarze Gepäckbox
auf dem Autodach, als harten die Menschen
ihre eigenen Särge bei sich
sicherheitshalber

Alle fahren schnell



【散文訳】


長い、黒の荷物箱を
車の屋根に載せて、恰も人間達が
その自分独自の棺桶を一緒に連れているかのやうに
安全のために

皆、高速で走っている



【解釈と鑑賞】


この詩人のことを書いたWikipediaです。



アイスランドの詩人です。レイキャビク生まれ。

ドイツのアウトバーンを高速で走っていると、この詩が生まれるかも知れません。あなたが、詩人であれば。





4. Berliner Tafel(ベルリン風の食卓)



【Eichendorfの詩73】Tafellied(食卓歌) 3

    4. Berliner Tafel(ベルリン風の食卓)

【原文】

Viele Lerchen hellerwacht,
Die zum Himmel steigen,
Viele Sterne in der Nacht,
Vieler Wipfel Neigen,
Viele frische Herzen dann,
Die begeistert lauschen―
Da bricht erst der Lenz recht an,
Klang und Waldesrauschen.

So sind viele hier gesellt:
Ruestige Gesellen,
Die ih’ Sach auf Klang gestellt,
Schauspiel und Novellen,
Viele dann, die recht sich freun,
Wenn wir’s löblich machen,
Und, greift einer falsch darein,
Auch von Herzen lachen.

Und wo solche Resonanz,
Klingt das Lied erste helle,
Wie wir hier vereint zum Kranz,
Blueht die sand’ge Schelle,
Kuckuck ruft und Nachtigall
Und von Lust und Schmerzen
Weckt der Schall den Widerhall
Rings in tausend Herzen.

Ein Land, das ihr schweigend meint
Und wir freudig singen,
Und ein Meer, das uns vereint
Soll hinueberbringen.
Frische Fahrt denn, nah und fern,
Allen mut’gen Seglern,
Die getreu dem rechten Stern,
Schlegelern oder Heglern!


【散文訳】

沢山の雲雀が、明朗に目覚めて
天まで昇り
沢山の星が、夜にはあり
沢山の梢(こずえ)の傾きはあり
ならば、沢山の新鮮なこころがあって、
それは、熱狂して、耳をそばだてる
すると、いよいよ春が破(や)れるように始まって
響きと森のさやけき音がする。

このように、沢山の者たちがここにでは仲間になる
活発な仲間達だ
自分たちの関心事を音にしたり
演劇と小説
次に、沢山の者たちが、本当に歓ぶ
もしわたしたちが賞賛をなすならば
そして、たとえある者が、間違えても
腹の底からの笑ふのだ。

そして、そのような共鳴のある所
歌がやっと明朗に鳴り響く
わたしたちが、ここで一緒になって花環になっているように
砂地の鈴(の花)が咲く
郭公が叫び、夜啼き鴬が啼く
そして、陽気と苦痛とから
響きが反響を呼び覚ます
周囲の幾千ものこころの中に。

お前達が沈黙して思う國
そして、わたしたちが喜んで歌う國
そして、わたしたちを一つにして
向かうへと運ばねばならない海。
すると、近かれ遠かれ、往路は新鮮、新鮮な往路だ
正しい星に忠実な
すべての勇敢な船乗りたちにとっては
シュレーゲル信奉者やヘーゲル信奉者にとっては!


【解釈と鑑賞】
第1連でいつもの通り自然を歌ふことで入って行くアイヒェンドルフですが、しかし、段々と詩は生彩を欠いてくやうに思ひます。

やはり、ベルリンはこの詩人には肌が合わなかったのではないでせうか。
そのことは、名詞を列挙する歌ひ方に現れてゐるとおもひます。つまり、動詞を欠いてゐて、動きがないのです。







2014年6月28日土曜日

【西東詩集75】 Hatem6


【西東詩集75】 Hatem6


【原文】

LIEB’ um Liebe, Stund’ um Stunde,
Wort um Wort und Blick um Blick;
Kuss um Kuss, vom treusten Munde,
Hauch um Hauch und Glück um Glück.
So am Abend, so am Morgen!
Doch du fühlst an meinen Liedern
Immer noch geheime Sorgen
Jussuphs Reize moecht ich borgen
Deine Schönheit zu erwidern.


【散文訳】

愛には愛を返し、時間には時間を
言葉には言葉を、そして眼差しには眼差しを
接吻には接吻を、最も忠実な唇(くちびる)からの
吐息には吐息を、そして、幸福には幸福を
このようにして、夕べにあり、このようにして、朝にある!
しかし、お前はわたしの歌々に
相変わらず、秘密の心配を感じている。
ユッスフの魅力を、わたしは隠したいのだ
お前の美しさに応えるために


【解釈と鑑賞】

ユッスフとは、美しい若者なのでせう。このときのゲーテは70を越えておりますので、その老いと、ズーライカとの若さの均衡を心配したのでせう。

同じ言葉をすべてumという前置詞を使って対にして並べるだけで、詩情と恋情が溢れて来る様です。

Enigma(謎):第27週 by Ingeborg Bachmann

2014/06/28

Enigma(謎):第27週 by   Ingeborg Bachmann





【原文】


Enigma
Für Hans Werner Henze aus der Zeit der Ariosi

Nichts wird mehr kommen.
Frühling wird nicht mehr werden.
Tausendjährige Kalender sagen es jedem voraus.
Aber auch Sommer und weiterhin, was so gute Namen
wie “sommerlich” hat―
es wird nichts mehr kommen.
Du sollst ja nicht weinen,
sagt eine Musik.
sonst
sagt 
niemand
etwas.



【散文訳】


謎
詠叙唱の時間の中から、ハンス•ヴェルナー•ヘンツェのための

何ものも、それ以上、来る事は無い。
春も、もはや、成ることは無い。
千年の暦(こよみ)は、誰にでもそれを予言する。
しかし、夏も、その後も、「夏らしい」というようないい名前を持っている.
もはや、やって来る事は無い。
だからといって、お前は、泣いてはいけないのだ
と、音楽は言う。
そうでなければ
誰も
何かを
言わないから。



【解釈と鑑賞】


この詩人のことを書いたWikipediaです。




オーストリアの詩人です。

題名の副題にある詠叙唱という言葉といい、最後から5行目の音楽という言葉といい、音楽をモチーフにした詩です。

音楽だけが、誰も言わない何かを言うということなのでせう。





【Eichendorfの詩72】Tafellied(食卓歌) 3: 3. Zum Abschied(別れに際して)


【Eichendorfの詩72】Tafellied(食卓歌) 3

    3. Zum Abschied(別れに際して)

【原文】

Horch! die Stunde hat geschlagen,
Und ein Schiffer steht am Bord,
Grüßt noch einmal, und es tragen
Ihn die Wellen rauschend fort.

Sturm wühlt, und die Zeiten bäumen
Sehnsüchtig sich himmelan,
Hoch in solcher Wellen Schäumen
Segle, kuehner Steuermann!

Und den letzten Becher, Brüder,
Eh wir hier verlassen stehen,
Und den letzten Klang der Lieder
Auf ein freudig Wiedersehen!


【散文訳】

静かに聞け!、時の鐘が鳴った
そして、ひとりの船乗りが甲板に立っている
もう一度挨拶をせよ、そして
船乗りを、波がさやけき音立てて運んで行く。

嵐が逆巻き、そして時間が樹木のように立ち上がる
憧れて、天に向って
高く、そのような波の泡の中に
帆を掛けて進めよ、勇敢な操舵士よ!

そして、最後の杯を、兄弟達よ、
我々が、ここに取り残される前に
そして、歌々の最後の響きを
喜ばしき再会を期して!


【解釈と鑑賞】

この詩のまとまりの3つ目の詩です。

この通りの詩ではないでせうか。





2014年6月21日土曜日

【西東詩集74】 Hatem5


【西東詩集74】 Hatem5


【原文】

DIE schön geschrieben,
Herrlich umgueldeten,
Belaecheltest du,
Die anmasslichen Blätter,
Verziehst mein Prahlen
Von deiner Lieb’ und meinem
Durch dich glücklichen Gelingen,
Verziehst anmutigem Selbstlob.

Selbstlob! Nur dem Neide stinkts,
Wohlgeruch Freuden
Und eignem Schmack!

Freude des Daseins sit gross,
Groesser die Freud’ am Dasein.
Wenn du, Suleika,
Mich ueberschwenglich beglückst,
Deine Leidenschaft mir zuwirfst
Als waers ein Ball,
Dass ich ihn fange,
Dir zurückwerfe
Mein gewidmetes Ich―
Das ist Ein Augenblick!
Und dann reisst mich von dir
Bald der Franke, bald der Armenier.

Aber Tage waehrts,
Jahre dauerte, dass ich neu erschaffe
Tausendfältig deiner Verschwendungen Fülle,
Auftroesle die bunte Schnur meines Glücks,
Gekloeppelt tausendfadig
Von dir, o Suleika.

Hier nun dagegen
Dichtrische Perlen,
Die mir deiner Leidenschaft
Gewaltige Brandung
Warf an des Lebens
Verödeten Strand aus.
Mit spitzen Fingern
Zierlich gelesen,
Durchreiht mit juwelenem
Goldschmuck,
An deinem Busen!
Die Regentropfen Allahs,
Gereift in bescheidener Muschel.


【散文訳】

美しく書かれた
素晴らしく金で象(かたど)られた
僭越な手紙を、お前は笑うことだろうし、
わたしの自慢を大目にみてくれるだろう
お前の愛と、お前のお蔭で幸せな私のこの成就についての自慢を
お前のこころを引こうという私の自画自賛を

自画自賛!それに嫉妬が混じるだけで、臭いは臭く
悦びが混じると、芳香になるが
しかし、自分勝手の趣味となるとどうだ!

今ここにこうして在るということの歓びは、大きい
より大きいのは、今ここにこうして在るということについての歓びだ。
もしお前が、ズーライカよ
わたしを過褒(かほう)なまでに幸せにしてくれ
お前の情熱を私に投げつけてくれるならば
恰もそれが球(ボール)のようであって
わたしがそれを取って
お前に投げ返すというように
私の、お前に捧げたこの私(というボール)を
それこそが、唯一無二の瞬間だ!
そうすると次には、わたしをお前から引き裂くのだ
あるときはフランケン人が、あるときはアルメニア人が。

しかし、日は続き
年月は続き、わたしは新しく創造するのだ
幾千にも重ねて、お前の一杯の放埒を
私の幸福の多彩な紐を解(ほど)くのだ
幾千もの糸になって、お前に編まれながら
おお、ズーライカよ。

さて、こうして、ここで、その見返りに
詩の真珠を
お前の情熱の暴力的な砕け散る波が押し寄せて来て
生命の荒涼たるわたしの岸辺に打ち投げたのだ。
細い指を使って
優美に選ばれて
宝飾の黄金の飾りで以て整えられて
お前の胸にあるとは!
(わたしの詩の真珠は)アッラーの雨の滴(しずく)なのだ
謙虚なる貝殻の中で成熟した。


【解釈と鑑賞】

ゲーテが、何故詩が、この恋愛の中で生まれたのかというその機微を、その秘密を率直に、美しいく激しい譬喩を使って歌った歌といへませう。

最後の連の最後の二行に、それ以前のすべてのこころが凝縮しているように思はれます。

【Eichendorfの詩71】Tafellied(食卓歌) 2


【Eichendorfの詩71】Tafellied(食卓歌) 2

      2. Trinken und Singen

【原文】

Viel Essen macht viel breiter
Und hilft zum Himmel nicht,
Es kracht die Himmelsleiter,
Kommt so ein schwerer Wicht.
Das Trinken ist gescheiter,
Das schmeckt schon nach Idee,
Da bracht man keine Leiter,
Das geht gleicht in die Höh.

               Chor
Da braucht man keine Leiter,
Das geht gleich in die Höh.

Viel Reden ist manierlich:
》Wohlauf?《―Ein wenig flau.―
》Das Wetter ist spazierlich.《
Was macht die liebe Frau?―
》Ich danke《―und so weiter,
Und breiter als ein See
Das Singen ist gescheiter,
Das geht gleich in die Höh.

               Chor
Das Singen ist gescheiter,
Das geht gleich in die Höh.

Die Fisch und Musikanten
Die trinken beide frisch,
Die Wein, die andern Wasser―
Drum hat der dumme Fisch
Statt Flügel Flederwische
Und liegt elend im See―
Doch wir sind keine Fische,
Das geht gleich in die Höh.

                Chor
Doch wir sind keine Fische,
Das geht gleich in die Höh.

Ja, Trinken frisch und Singen
Das bricht durch alles Weh,
Das sind zwei gute Schwingen,
Gemeine Welt, ade!
Du Erd mit deinem Plunder,
Ihr Fische  samt der See,
’s geht alles, alles unter,
Wir aber in die Höh!

                 Chor
’s geht alles, alles unter,
Wir aber in die Höh!


【散文訳】

2。飲めや、歌えや

沢山食べると、沢山太って
そして、まあ大変、どうにもならぬ
天の梯子(はしご)も音立てて砕ける
かくも重たい生き物が来た日には
飲酒の方がまだ賢いよ
それは、最初からイデー(スピリッツ)の味がする
となれば、(天に登る)階段も要らないさ
直ちに(天の)高みに入るから。

     合唱
となれば、(天に登る)階段も要らないさ
直ちに(天の)高みに入るから。

沢山語ることは、躾け正しい、上品なことだ
》元気ですか?《 一寸ばかり弱っているのさ
》散歩日和だ《
あのご夫人は何をしているのかな?
》お誘い有り難う《 等々
そして、それは、湖より広い
歌を歌うことは、もっと賢い
直ちに(天の)高みに入るから。

     合唱
歌を歌うことは、もっと賢い
直ちに(天の)高みに入るから。

魚たちと音楽家たちは
共に飲んで、爽やかだ
葡萄酒とその他の水の類いを飲んで
だから、馬鹿な魚は
翼の代わりに、羽根帚(はねぼうき)を持って
そして、憐れにも、湖の中にいるのさ
しかし、わたしたちは魚ぢゃない
直ちに(天の)高みに入るから。

     合唱
しかし、わたしたちは魚ぢゃない
直ちに(天の)高みに入るから。

そうさ、飲んで、歌って、爽快になれば
すべての悲しみも散り散りだ
飲むと歌うは、ふたつのよき飛躍だ
卑俗な世間よ、いざさらば!
お前は、地上よ、瓦落多をその身に集めて
お前達は、魚よ、海と一緒になって
すべてが、すべて、沈んで行くが
わたしたちは(天の)高みに入るのだ!

      合唱
すべてが、すべて、沈んで行くが
わたしたちは(天の)高みに入るのだ!

【解釈と鑑賞】

飲むことと歌うことと題された第2番目の詩です。

或いは、飲めや歌えやと訳してもよいでしょう。

酒は、最初からイデーの味がするというのは、全く同感の至りです。酒という水の類いには、スピリッツが、精神があるから、そう酒精という精神が。