2014年5月31日土曜日

Sequenz an den Heiligen Geist(聖霊への頌歌):第23週 by Hildegard von Bingen



Sequenz an den Heiligen Geist(聖霊への頌歌):第23週 by   Hildegard von Bingen







【原文】

Alles durchdringst Du.
die Hoehen,
die Tiefen
und jeglichen Abgrund.
Du bauest und bindest alles.

Durch Dich träufeln die Wolken,
regt ihre Schwingen die Luft.
Durch Dich birgt Wasser das harte Gestein,
Rinnen die Baechlein
und quillt aus der Erde das frische Grün.

Du auch führest den Geist,
der Deine Lehre trinkt,
ins Weite.
Wehest Weisheit in ihn
und mit der Weisheit die Freude.



【散文訳】


あなたは、すべてを貫通する
高さも
深さも
そして、どの深淵も。
あなたは、すべてを建て、そして結びつける。

あなたを通って、雲という雲が滴(したた)る
その震動が空気を動かす。
あなたを通じて、水が、固い巌を庇護し
小川という小川は、走る
そして、大地から、新鮮な緑が湧き出る。

あなたは、また精神を導く
あなたの教えを飲む精神を導いて
遥かな彼方の中へと連れて行く
智慧が、精神の中へと吹き込み
そして、智慧と共に、悦びが吹き込む。


【解釈と鑑賞】


この詩人のことを書いたWikipediaです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ヒルデガルト・フォン・ビンゲン

中世ドイツのベネディクト会系女子修道院長であり神秘家、作曲家とあります。

神秘的、霊的な体験を繰り返しした人ですので、この詩もまた、その体験を、そうして目に見えたものを歌ったということなのでせう。







【Eichendorfの詩68】Entgegnung(邂逅)


【Eichendorfの詩68】Entgegnung(邂逅) 

【原文】

》Sei antik doch, sei teutonisch,
Lern, skandiere unverdrossen,
Freundchen, aber nur ironisch!
Und vor allem lass die Possen,
Die man sonst genannt: romantisch.《―
Also hoers man’s rings her schallen;
Aber mich beduenkt: pedantisch,
Sei das Schlimmste doch von allen.

Wem der Herr den Kranz gewunden,
Wird nach alledem nicht fragen,
Sondern muss, wie er’s befunden,
Auf die eigne Weise sagen,
Stets aufs neu mit freudigem Schrecken,
Ist sie auch die alte blieben,
Sich die schöne Welt entdecken,
Ewig jung ist, was wir lieben!

Oft durch des Theaters Ritzen
Bricht’s mit wunderbarem Lichte,
Wenn der Herr in feur’gen Blitzen
Dichtend schreibt die Weltgeschichte,
Und das ist der Klang der Wehmut,
Der durch alle Dichtergeister
Schauernd geht, wenn sie in Demut
Ueber sich erkannt den Meister.


【散文訳】

》古代風であれよ、チュートン(ゲルマン)風であれ
学べ、根気よく韻律を踏んで朗読せよ
友よ、しかし、ただ皮肉を以てだ!
そして、何よりも、茶番はやめだ
普通人がロマンチックと呼ぶ茶番は《
かくして、周囲には、この言葉が響き亘るのを聞く
しかし、わたしは思うのだ。それは、衒学的だと
総てのもののうちで最悪のものであれ、と言っているのだと。

神が冠を編んでやったその人は
なんでもかんでも問うのではなく
その人がそう思う通りに
独自の方法で言わねばならない
絶えず新しく、悦びの驚きを以て
美しい世界を発見するのに
その方法も実際古風のままならば
永遠に若くあるのだ、わたしたちの愛するものは!

劇場の割目を通じて、しばしば
不思議な光と共に、それはこぼれ落ちる
神が、炎の稲妻の中に
世界史を詩作するならば
そして、それが、哀愁の響きであるならば
その哀愁は、すべての詩人の精神を通じて
震えながら行く、そのような哀愁の響きであるならば、
哀愁が(神に対して)恭謙なこころで
自らについて、自分が支配者(マイスター)だと認識したならば。


【解釈と鑑賞】

第1連は、当時盛んに言われたことなのでしょうか。どうも、そのように思います。

アイヒェンドルフは、それを否定して、遠ざけている。

独自の方法が古く、古風であれば、われわれの愛するものが永遠に古びることなく、若いままであるということが、この詩の、もし主張というならば、主張でありませう。

アイヒェンドルフにとって、古いということは、この詩を読むと、神に恭順であること、それが詩人であることを言っています。

第3連の第1行にある劇場とは、この世界、この世の舞台のことでしょう。


そうして、実は、そのようにあれば、詩人はその支配者、マイスターであるというのです。

2014年5月24日土曜日

【西東詩集70】 Hatem1


【西東詩集70】 Hatem1


【原文】

Der Sultan konnt es, er vermaehlte
Das allerschönste Weltenpaar,
Um zu bezeichnen Auserwwaehlte,
Die Tapfersten der treuen Schar.

Auch sei’s ein Bild von unsrer Wonne!
Schon seh ich wieder mich und dich,
Du nennst mich, Liebchen, deine Sonne,
Komm, suesser Mond, umklammre mich!


【散文訳】

スルタン(トルコ皇帝)には、それが出来た、彼は婚姻をなさしめた
最も美しき一対の、宇宙(世界)の男女を
選ばれし者と呼び、表すために
即ち、忠実な軍隊の中で最も勇敢なる者達を

それが、わたしたちの大歓喜の像であれかし!
既に、わたしは再び、わたしとお前を見てゐる
お前は、わたしを、愛する者よ、お前の太陽と呼んでゐる
来るがいい、甘い月よ、わたしを搔き抱いておくれ


【解釈と鑑賞】

これが、ここでHatemと題されて詠まれる長い歌の最初の連です。以後Hatemの後に番号を振つて続けます。

【Eichendorfの詩67】Liedesmut(歌心(うたごころ))



【Eichendorfの詩67】Liedesmut(歌心(うたごころ)) 

【原文】

Was Lorbeerkranz und Lobestand!
Es duftet still die Fruehlingsnacht
Und rauscht der Wald vom Felsenwand,
Ob’s jemand hört, ob niemand wacht.

Es schläft noch alles Menschenkind,
Da pfeift sein lust’ges Wanderlied
Schon übers Feld der Morgenwind
Und fraegt nicht erst, wer mit ihm zieht.

Und ob ihr all zu Hause sasst,
Der Frühling blüht doch, weil er muss,
Und ob ihr’s lest oder bleibenlasst,
Ich singe doch aus frischer Brust.


【散文訳】

月桂樹の冠と賞賛の地位が何だろう!
静かに、春の夜が薫っている
そして、森が、巌(いわを)の端からは、さやけき音を聞かせている
誰かがそれを聞かうが、誰も目覚めて居なからうが

まだ、すべての人の子たちは眠っている
すると、そこに、人の子の陽気な旅の歌の笛の音が聞こえて来る
既に野原を越えて、朝の風が吹いて来る
そして、その風は、誰がその風と一緒にやって来るのかを、最初に問ふことはない

そして、お前達皆が、家に在って、座していたかどうかを問はず
春は、何と言っても花盛りであり、何故なら春は咲かねばならないから
そして、お前達が書物を読まうが、読み止(さ)してをかうが
わたしは、新鮮な胸の内から声を出して歌ふだけなのだ


【解釈と鑑賞】

アイヒェンドルフという詩人が生きている場所を、そのまま歌った詩です。

第2連の「その風は、誰がその風と一緒にやつて来るのかを、最初に問ふことはない」といふ言ひ方には、神韻渺々と言つてもよいかも知れないやうな、何か非常に微妙なものを感じます。うまく言葉になりませんけれども。


歌心といふ題名から、第1連の第1行目を読むと、読者にも、そのこころも知られることでせう。

Von den Voegeln(鳥達について):第22週 by Luiza Neto Jorge

Von den Voegeln(鳥達について):第22週 by   Luiza Neto Jorge







【原文】

Unter den Vögeln sind
die mit dem reinsten Schrei
freie Gottheiten
in einem Luftloch



【散文訳】

数多くの鳥達の中に混じって在るのは
全く純粋な叫び声ということに関して言えば
自由である数々の神々であり、それらの神々は
或る空気の穴の中に在る


【解釈と鑑賞】


この詩人のことを書いたWikipediaです。

http://pt.wikipedia.org/wiki/Luiza_Neto_Jorge

ポルトガルの女流詩人です。


ポルトガルの青空を想像することがなかなか、日本にいると、難しいのではないかと思いますが、しかし、このような青空があるのでしょう。天に穴があるとすら思わせることのできる青空、です。

2014年5月17日土曜日

【西東詩集69】 Suleika

【西東詩集69】 Suleika


【原文】

DIE Sonne kommt! Ein Prachterscheinen!
Der Sichelmond umklammert sie.
Wer konnte solch ein Paar vereinen?
Dies Rätsel wie erklärt sichts? wie?


【散文訳】

太陽が来る!荘厳なる現象!
三日月が、太陽に巻き付き、抱きつく。
誰が、そのような一組の男女を一つにすることができたでしょうか?
この謎、自明の謎?でもどうやって説明がつくのでせう?


【解釈と鑑賞】

前の歌を受けて、この詩では、ズーライカがハーテムに答えています。

このあと、ハーテムの歌が延々と続きます。大きなひとくぎりづつ訳して参ります。




Geschlechtsverkehr(性交):第21週 by Otto Jaegersberg

Geschlechtsverkehr(性交):第21週 by   Otto Jaegersberg





【原文】

Geschlechtsverkehr

Eine umständliche Sache
meist lange Vorarbeiten

Wenns endlich losgeht
sind oft die Füße kalt

und dann tun die Knie weh
Bei längerem Geschlechtsverkehr
stellt sich in der Regel
Kniereissen ein

Niemand spricht darüber.



【散文訳】


性交

ある遠回りの、面倒なこと
殆どの場合、長い前段階の仕事あり

遂にはじまったかと思うと
しばしば、両足が冷たく

そして、次に膝が痛む
比較的長い性交の場合に
いつも現れるのは
膝の引っ掻き傷だ

誰もそれについては語らない。


【解釈と鑑賞】


この詩人のことを書いたWikipediaです。


ドイツの詩人です。1942年生まれ。Wikiによれば、小説家であり、また映像作家でもあるとあります。現在バーデンバーデンに在。

ネットで画像検索をしても、この詩人の画像が出て来ません。外に露出しないひとのようです。

5月にこの詩を措いたのは、春であり、生命の発散する時期だからでしょうか。

第1連の「前段階の仕事」というのは、まあ普通に言えば前戯ということなのでせう。

このように性交のことをあからさまに表現するというのは、現代のドイツ人らしいと言えばドイツ人らしい。