2013年4月20日土曜日

Wenn etwas leicht(何かが軽く):第18週 by Gottfried Benn(1886 - 1956)




Wenn etwas leicht(何かが軽く):第18週 by Gottfried Benn(1886 -  1956)





【原文】

Wenn etwas leicht

Wenn etwas leicht und rauschend um dich ist
wie die Glycinienpracht an dieser Mauer,
dann ist die Stunde jener Trauer,
dass du nicht reich und unerschoeplich bist.

Nicht wie die Blüte oder wie das Licht:
in Strahlen kommend, sich verwandelnd,
an ähnlichen Gebilden handelnd,
die all nur der eine Rausch verflicht,

der eine Samt, auf dem die Dinge ruh'n
so strömend und so unzerspalten,
die Grenze zieh'n, die Stunden halten
und nichts in jener Trauer tun.


【散文訳】


何かが軽く

何かが軽くあり、そしてお前の周囲でさやさやと音をたてているならば
この壁にある藤の花の壮麗であるように
そうであれば、あの悲しみの時間だ
お前が豊かではなく、そして無尽蔵だということの

満開の花のようにではなく、または光のようにではなく
光線の中をやって来て、変身しながら
様々な類似の姿を少しづつとりながら
その姿たちは、すべてただ、一つの陶酔が編むものだ

ひとつのビロードは、その上に事物が憩っているのだが
事物は、かくも滔々と流れて、かくも割れることなく
境界線を引き、時間を維持し
そして、あの悲しみの中で、何もしない



【解釈と鑑賞】


この詩人のWikipediaです。



ドイツの有名な詩人です。


このドイツ語詩のカレンダーは、去年もこの詩人の詩を採録しておりましたから、編者はこの詩人が好きなのかも知れません。


何を歌っているのか、不可思議な、或いは不可解な詩です。

第2連最後の陶酔と、第3連最初のビロードは、同じものを指しているのかも知れません。即ち、陶酔がビロードであるという解釈です。勿論、別のものとして理解することも、有り得ますけれども。

感情としては、悲しみの感情を歌った詩ということになるでしょう。

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