2013年4月6日土曜日

【西東詩集40】 Dichter(詩人)



【西東詩集40】 Dichter(詩人)


【原文】

Dichter

Die Liebe behandelt mich feindlich!
Da will ich gern gestehn,
Ich singe mit schwerem Herzen.
Sieh doch einmal die Kerzen,
Sie leuchten indem sie vergehn.
        *
Eine Stelle suchte der Liebe Schmerz,
Wo es recht wüst und einsam wäre;
Da fand er denn mein ödes Herz
Und nistete sich in das leere.



【散文訳】

詩人

愛は、わたしを敵対的に取り扱うのだ!
それなら、わたしは、よろこんで告白しよう
わたしは、重いこころを以て歌うのだ
蝋燭を見よ
それらは、過ぎ去って行くことによって、明るく燃えている。
        *
ある場所を、愛の苦しみは求めるのだ
そこでは、まさに、荒涼として、孤独であるかも知れぬ
そこに、苦しみは、わたしの荒涼たるこころを見つけた
そして、空虚の中に巣をつくったのだ。


【解釈】

これは、詩人の独白ということになるでしょうか。独白であれば、気分は、前の詩から続いているということになります。

これらの詩は、既にこれまで歌われた愛の歌の、何か半面を、詩人の独白として歌っているように見えます。

この詩の収めてある愛の巻は、単純に青春の詩ではなく、老年の詩人の愛の詩なのでしょう。

この詩は、このままに受け取る以外には、ありません。

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