【西東詩集40】 Dichter(詩人)
【原文】
Dichter
Die Liebe behandelt mich feindlich!
Da will ich gern gestehn,
Ich singe mit schwerem Herzen.
Sieh doch einmal die Kerzen,
Sie leuchten indem sie vergehn.
*
Eine Stelle suchte der Liebe Schmerz,
Wo es recht wüst und einsam wäre;
Da fand er denn mein ödes Herz
Und nistete sich in das leere.
【散文訳】
詩人
愛は、わたしを敵対的に取り扱うのだ!
それなら、わたしは、よろこんで告白しよう
わたしは、重いこころを以て歌うのだ
蝋燭を見よ
それらは、過ぎ去って行くことによって、明るく燃えている。
*
ある場所を、愛の苦しみは求めるのだ
そこでは、まさに、荒涼として、孤独であるかも知れぬ
そこに、苦しみは、わたしの荒涼たるこころを見つけた
そして、空虚の中に巣をつくったのだ。
【解釈】
これは、詩人の独白ということになるでしょうか。独白であれば、気分は、前の詩から続いているということになります。
これらの詩は、既にこれまで歌われた愛の歌の、何か半面を、詩人の独白として歌っているように見えます。
この詩の収めてある愛の巻は、単純に青春の詩ではなく、老年の詩人の愛の詩なのでしょう。
この詩は、このままに受け取る以外には、ありません。
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