All Dein Glucke(お前の総ての幸福):第17週 by Peter Ruehmkorf(1929 - 2008)
【原文】
All dein Glück
All dein Glück wie nie gewesen,
aller Scherz wie nicht von hier,
und da möchtest du es schon mal lesen,
dass es jemandem so ging wie dir.
Ganz genau so unbegründet
mittens aus der Fahrt zu Fall -
Dass ein ich sein Echo findet
in dem sterneleeren Ueberall.
Wie ein Lied aus bessern Tagen
streift dich der Gefangenen Chor -
Ausgesprochene Versagersagen
reissen den Gestrauchelten empor.
Oder du auf deiner Einmannliege,
nachts, auf dem verrutschten Tuch,
wirst du deiner Einigkeit gewahr -
und es wäre schon gut, wenn jetzt ein Buch
über dir zusammenschlüge
wie ein lichtgesäumtes Flügelpaar
【散文訳】
総てのお前の幸福
どこにも無かったような総てのお前の幸福
ここから発したのではないような総ての冗談
そして、そうすると、お前はもう読解したくなる
お前に起こったように、誰にでも起こったのだと。
全く精確にそのように根拠なく
まん中で、乗り物から落ちて
わたしなる者(一個のわたし)が、自分の木魂(こだま)を見つけるということ
星々の無い至る所に
よりよい日々から生まれる歌のように
お前を、虜囚の合唱が、なでる
明白なる不発弾(失敗者)のもの言いが
足を踏み外した者(失敗者)を、高く引きちぎる
或いはまた、お前は、お前の一人用の寝椅子上で
夜には、服の外にはみ出した布(織物)の上で
お前は、お前はお前だということに気づく
そして、今やお前についての一冊の書物が
閉じられるならば、それは、言うまでもなく、よいことだろう。
【解釈と鑑賞】
この詩人のWikipediaです。
ドイツの詩人です。
プロテスタントの牧師の娘として生まれた女性が、未婚で生んだ子供が、この詩人でした。
この出生から行って、苦しみの多い、抑圧の多い、人生の始まりだったことでしょう。
しかし、この詩は、実にいい詩だと思います。
強烈にこの詩人の人間が表現されている詩です。語彙の選択と配列にそのことがよく現れています。
注目すべきは、お前と呼びかけているその当人を、書物と書物を読むということの譬喩(ひゆ)で捉えていることです。
人間もまた一冊の書物であるということは、その通りであると思います。
注目すべきは、お前と呼びかけているその当人を、書物と書物を読むということの譬喩(ひゆ)で捉えていることです。
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