【西東詩集42】 Geheimes(秘密)
【原文】
Geheimes
Ueber meines Liebchens Aeugeln
Stehn verwundert alle Leute;
Ich, der Wissende, dagegen
Weiss recht gut was das bedeute.
Denn es heisst: ich liebe diesen,
Und nicht etwa den und jenen;
Lasset nur ihr guten Leute
Euer Wundern, euer Sehnen!
Ja, mit ungeheuren Maechten
Blicket sie wohl in die Runde;
Doch sie sucht nur zu verkünden
Ihm die nächste Süße Stunde.
【散文訳】
秘密
わたしの恋人の可愛らしい両眼の上に
不思議に思って、すべてのひとが立ち止まっている
わたし、智者は、それに対して
まさしく、それが何を意味するかを知っているのだ。
何故ならば、それの意味するところは、わたしはこの男を愛しているということだからだ
そして、例えば、これとか、あれという男ではないのだ
お前達、善良な人々よ
お前達の驚きをそのままに、お前達の憧れをそのままにしておくがよい。
彼女を、きっと一座の団欒の中にみるがいいのだ
しかし、彼女は、ただ告げ知らせようとするだけだ
恋人に、次の甘い時間があると
【解釈】
満座の中で、気持ちの通じ合ったことを知っている詩人のこころを歌った詩なのでしょう。
その場の誰も知らないが、わたしと恋人だけに情が通っていることを知っている。
それが、この詩の題名の意味です。