2015年2月22日日曜日

Adam und Eva(アダムとイヴ):第8週 by Mynona(1871 ー 1946)

Adam und Eva(アダムとイヴ):第8週 by  Mynona(1871 ー 1946)



【原文】

Adam und Eva naschen gerne Äpfel,
Im Paradies ist heute Fastnachtsschmaus,
Die Klapperschlange klappert zum Applaus,
Sie bieten ihr köstlich gebratene Kräpfel.

Sie frisst sie aus dem schön glasierten Neapel,
Vergißt, bei solchem übersüßen Schmaus,
Den Sündenfall und lebt in Saus und Braus
(Der Baum des Wissens schüttelt seinen Wäpfel).

Das nutzt ihm nichts, der Baum des Lebens lacht,
Es lachen alle, Adam, Eva, Schlange,
Gott selber lächelt und läßt sie gewähren.

Erzengel weisen auf die Uhr: 's wird Nacht!
Jedoch sie machen keinen damit bange -
Heute wird die ganze Nacht hindurchgewacht.


【散文訳】

アダムとイヴは、好んで林檎を幾つも盗み喰いをする
天国は、今日は謝肉祭の饗宴だ
ガラガラ蛇が、拍手喝采するためにガラガラと音を立てる
二人は、ガラガラ蛇に、美味に焼いたお菓子(クレッペル)を供する。

ガラガラ蛇は、お菓子を、美しくガラスの張ったナポリの器から取って、貪(むさぼ)り食い
そのような甘すぎるご馳走を食べると
地獄に堕ちるということを忘れて、放縦な生活をする
(知恵の木は、その林檎を振り落とす)。

そうやっても、知恵の木には何の役にも立たず、この生命の木は笑い
皆が、アダムが、エヴァが、蛇が笑い
神ご自身が微笑み、そして皆のなすがままにまかせる。

大天使が時計を指して言う:夜になるぞ!
しかし、それで、アダムもエヴァも蛇も、不安になることはない
今日は、徹宵、起きているのだから。


【解釈と鑑賞】

この詩人の、Wikipediaです。ドイツの詩人です。

http://goo.gl/NzaGTu

Mynonaは筆名で、本名は、Salomon Friedlaenderと言います。

Wikipediaのある箇所を訳しますと、次のようになります。

この詩人の言葉は、グロテスク(残虐と怪奇)とパロディー(諧謔と戯画化)を備えた表現主義的な且つダダイズム風の要素を組み合わせたものであり、これによって、文学的な前衛(アヴァンギャルド)に対して衝撃を与えた。そのテキストの多くは、更に加えて、先鋭で辛辣な社会批判を含んでいる。詩人は、自らをイマヌエル・カントとチャーリー・チャップリンの統合者と見ていた。

第2連の最後の行にあるWäpfelという語は、辞書にはなく、林檎という意味に介して、そう訳しました。

こうやって知恵の木がその知恵の実たる林檎を、身を揺すって落とすということは、何を意味しているのでしょうか。
アダムとイヴは知恵の木の実を既に幾つも食べていますので、この木は蛇に林檎を食べさせたいと思ったのでしょうか。
蛇が林檎を食べるとどうなるのでしょうか。蛇は悪魔の化身のようでありますから、悪魔が林檎を食べると知恵がついて、そうして寿命を持つようになって、悪魔も死のことを考えなければならなくなるのでしょうか。

第3連の最初の一行の、

そうやっても、知恵の木には何の役にも立たず

とあるのは、悪魔はその手には乗らなかったという意味なのでしょう。そう解することに致します。

第1連にある通り、天国は、今日は謝肉祭の饗宴なわけですから、夜を徹して起きているのでしょう。夜に恐れを抱く必要のない理由が、眠らずに起きているからだとあります。

確かに、Wikipediaの紹介にあるように、この詩はアナーキー(無政府状態)、即ち神の支配のないような状態を歌った詩だと言えるでしょう。神もただ微笑んでいるというのも、この詩人の力技だということになりましょう。

確かに、聖書という神聖な書物の中の有名な逸話のパロディー(戯画と諧謔)になっております。


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