2015年2月7日土曜日

【西東詩集105】 Schenke(酌人)

【西東詩集105】 Schenke(酌人)


【原文】

                            Schenke

Nennen dich den großen Dichter
Wenn dich auf dem Markte zeigest;
Gerne hör ich wenn du singest,
Und ich horche wenn du schweigest.

Doch ich liebe dich noch lieber
Wenn du küßest zum Erinnern,
Denn die Worte gehen vorüber
Und der Kuss der bleibt im Innern.

Reim auf Reim will was bedeuten,
Besser ist es viel zu denken.
Singe du den andern Leuten
Und verstumme mit dem Schenken.


【散文訳】

あなたを偉大な詩人と呼ぶがいいのです
あなたが市場(マルクト)に姿を現わす度に
あなたが歌うたびに、わたしは、よろこんでその歌を聞き
そして、あなたが沈黙する度に、わたしは耳傾けるのです。

しかし、わたしはあなたをもっと愛しているのです
もしあなたが、記憶するために記念として接吻するのであれば
何故なら言葉は、過ぎ去って行くものだから
そして、接吻は、この接吻は、こころの底に留まるのです。

韻に韻を重ねると、それは何かを意味したいと言っているのですし
よりよいのは、たくさん考えることです。
あなたは、他の人々のために歌って下さい
そして、この酌人(わたし)と一緒にゐるときには、口をつぐんで下さい。


【解釈と鑑賞】

3つの連からなっています。

第1連と第3連は、互いに呼応しております。

詩人が歌を歌うこと、市場という公共の場所、人々、他方、詩人が沈黙すること、わたし( 酌人)ということ、そして、歌う其の言葉は過ぎ行くものであるのに対して、酌人への接吻はこころに留まるものであること。

このようなことが、対比的に、酌人の題の下に、酌人の言葉として歌われております。


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