オルフェウスへのソネットを読んでみようと思います。わたしは、文学史的なことに本当に疎いので、ネット上のWikipediaで読んだ知識でありますが、この詩は、晩年のリルケのふたつの大作のうちのひとつ、すなわち、悲歌に対してあるソネットです。
はや、第1連の最初の4行を読みますと、既に悲歌で見た言葉が出てきます。制作の時期も重なっているようですので、当然のことながら、ひとりの詩人のなかからふたつの詩篇が生まれたわけですから、一方は他方の註釈となることがあると思います。
最初に接したときの接しかたが、わたしは大切な人間で、過去の経験からいつもテキストを読むときは、そうなのですが、虚心坦懐に、徒手空拳で、辞書もひかずに、テキストに当たることにしていますけれども、今回も同じ流儀で、最初の1連の4行のみを、読んだばかりです。
悲歌とは異なり、随分と静かな印象を抱きました。
毎回、1連の4行づつ、といっても1回4行で読みきり、書ききりという具合には、うまくいかないでしょうが、その4行を読んで、感じ、思い、考えたことを、今度は悲歌のようには整理したり整えたりするというのではなく、詩とは何かを考えながら、自由に書いてみたいと思っています。
最初の1連の最初の4行は、次のようなものです。いかがでしょうか。
日本語の翻訳や註釈があれば、それも手元においておきたいと思っています。追々手に入れて紹介したいと思いますが、わたしの訳は、悲歌のときと同様、散文訳となることをご了承ください。これが、わたしの訳しかた、理解の仕方の表現なのです。
第1章が26連、第2章が29連、あわせて55連の詩行です。
DA stieg ein Baum. O reine Übersteigung!
O Orpheus singt! O hoher Baum im Ohr!
Und alles schwieg.Doch selbst in der Verschweigung
ging neuer Anfang, Wink und Wandlung vor.
一体、これは、何を言っているのでしょうね。
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