第17週:Der letzte Baum(最後の木)by Friedrich Hebbel(1813-1863)
【原文】
So wie die Sonne untergeht,
Gib’s einen letzten Baum,
Der wie in Morgenflammen steht
Am fernsten Himmelssaum.
Es ist ein Baum und weiter nichts,
Doch denkt man in der Nacht
Des letzten wunderbaren Lichts,
So wird auch sein gedacht.
Auf gleiche Weise denk ich dein,
Nun mich die Jugend lässt.
Du hältst mir ihren letzten Schein
Für alle Zeiten fest.
【散文訳】
太陽が沈むやうに
一本の最後の木が存在するのだが、
その木は、朝陽(あさひ)の炎の中にゐるやうに立ってゐる
最も遠い天の縁(へり)に。
一本の木なのであり、そして、それ以上ではないのだが、
しかし、夜になると
その最後の素晴らしい光のことを考へるのだし、
そのやうに思はれるものなのだ。
同じやうに、私はお前のことを思ひ、
かうしてみると、青春が私に、それを強ひるのだ。
お前は、私のために、青春の最後の輝きを保つ
すべての時代のために、しつかりと保つのだ。
【解釈と鑑賞】
この詩人は、ドイツの詩人です。ドイツ文学史に名を残してゐる詩人のひとりです。
ドイツ語のWiki:
英語のWiki:
これは、静かな恋愛詩、それも当時を想起して歌つたものではないでせうか。
あるひは、今恋愛をしてゐる時に書かれた詩だとすれば、この人間は随分と静謐なこころを持つた詩人だといふことになります。
Wikipediaを読みますと、意志の強い人間であつたやうです。この静謐は、そのやうな意志の強さに裏打ちされた静謐なのでありませう。
ヘッベルの墓です。妻のクリスティーネと一緒に、書物をかたどつた墓碑の見開きのページに夫婦の名前が彫られてをります。
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