2015年6月27日土曜日

Was ist die Welt?(世界とは何か?):第26週 by Hugo von Hofmansthal(1874~1929)



Was ist die Welt?(世界とは何か?):第26週 by Hugo von Hofmansthal(1874~1929)






【原文】


Was ist die Welt? Ein ewiges Gedicht,
Daraus der Geist der Gottheit strahlt und glüht,
Daraus der Wein der Weisheit schäumt und sprüht,
Daraus der Laut der Liebe zu uns spricht

Und jedes Menschen wechselndes Gemüt,
Ein Strahl ists, der aus dieser Sonne bricht,
Ein Vers, der sich an tausend andre flicht,
Der unbemerkt verhallt, verlischt, verblüht.

Und doch auch eine Welt für sich allein,
Voll süß-geheimer, nievernommner Töne.
Begabt mit eigner, unentweihter Schöne,

Und keines Andern Nachhall, Widerschein.
Und wenn du gar zu lesen drin verstündest,
Ein Buch, das du im Leben nicht ergründest.



【散文訳】


世界とは何か?永遠の詩だ
その中から、神聖の霊が光を発し、そして輝く
その中から、智慧の葡萄酒が泡立ち、そして飛び散る
その中から、愛の音(ね)が、わたしたちに話かける

そして、どの人のであれ、その人の替わり続ける情緒であり
この太陽の中から外へと破り出る一条のそれは輝きであり
千の他の詩句に編み入る一つの詩句であり
気づかれることなく、響き消え行き、光消えて、花萎(しぼ)む詩句である。

しかし、また、一つの世界といふものは、それ自体で一人なのであり
甘く秘密の決して聞き取れぬ音の数々で満ちてゐて
独自の、神聖にあること止まぬ美の才に恵まれてゐて

そして、他の誰の者でもない残響、反射光であり
そして、お前が、その中に読まうとして理解できるとしても(そんなことはないのだが)
生命の中にあって、決して、お前の極めることのない一冊の書物なのだ。


【解釈と鑑賞】


この詩人は、オーストリアの詩人です。有名な詩人であり、作家です。


ドイツ語のWikipedia:


日本語のWikipedia:



まさかホフマンスタールの詩を訳すことがあらうとは。

この詩人は、十代の終わりに知った詩人であります。しかし、読むに至らず、わたしは散文の世界の研究と探索と探検に忙しかつた。

確かに、ゲーテが『西東詩集』で歌ふやうに、人生は繰り返す。

その感、深し。

さうして、やはり、世界を一冊の書物に喩える、この歴史的伝統的な詩人がゐるのです。




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