Februar(2月):第7週
by Adolf Endler
【原文】
Februar
1.
Die Wletraumkaelte sickert ein in meine Haut.
2.
Ich hoer dem Schnee der Erde zu. Er taut und taut.
【散文訳】
2月
1.
世界空間の寒さは、わたしの肌の中に滴(したた)り、滲(にじ)むようにして入ってくる。
2.
わたしは大地の雪に耳傾ける。雪は、解ける、解ける。
【解釈】
この詩人は、1930年から2009年を生きたひと。
2月になって、この月がどういう月かを、箇条書きで書いている。
1は、やはりある寒さ。2は、雪解け。
この相反するものがある月が2月だということなのでしょう。
世界空間の寒さという言葉は、この詩人の造語です。
もっというならば、造語通りに、世界空間寒さ、です。このひとことで、2月という月の寒さのすべてを表している。
最後の文、雪が、解ける、解ける、という繰り返しに、いかにも春を迎える喜びがあります。
ドイツ語のtauen、タウエンという言葉が、いかにも、そのような言葉としてあることがわかります。
前回の詩のなかにも、Tauwind、タウヴィント、雪や氷をとかす風という風、春風がありました。
最後の文を、雪は、解ける、解ける、としましたが、雪が、解ける、解けるとしても、よいと思います。
或いは、解ける、解けるを、解けている、解けている、としても。
日本人ならば、2月とせず、立春という題にするところでしょう。
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