2012年6月3日日曜日

3a。ブッルクリン橋にての構造

下記の図を貼付致しますが、すべての要素が貼付されているわけではありませんので、全体の図(完全な図)をご覧になりたいかたは、メールにてご一報下さい。お届け致します。



Stanza Noun Article Adjective Adverb Verb Verb2 Adverb2 Adjective2 Article2 Noun2 Stanza2


1 dawns





sleepless
river 11



rest



vault


sea




seagull







prairies




wing


dip dream


sod








pivot
lowliest







him (Brooklyn Bridge)


shed sweep sometime

thee(Brooklyn Bridge)




rings
white

descend








tumult


build lend


curveship




bay waters


chain


a myth




Liberty







God


















2 curve
inviolate



clear
shadow 10



our eyes


forsake



piers






apparitional

wait


I




sails


cross is


darkness




page
some



Thy






figures

away file

fiery
The City




elevators
us
drop



parcels




our day





undone
all









submerge already

snow











iron an year



3 I



skim
swift
traffic 9



cinemas




again

lights




sleights
panoramic



unfractioned
idiom




multitudes


bend

immaculate
sight




scene
some
flash



stars








disclose bead
Thy
path







again hasten



eternity









condense


we




eyes
other
foretell see


night






same
screen lift
Thy















arms



4 Thee







harp 8



harbor

sliver-paced




altar




sun





fused
fury




step


take align
mere
toil




motion
some
leave

thy
strings






unspent

choir








stride
thy



terrific
threshold




freedom

implicitly stay



prophet







there




pledge













prayer













pariah













lover













cry



5 subway
some
scuttle




7



cell













loft













bedlamite a

speed









parapets
thy there tilt









shirt

momently










shrill


baloon









jest a

fall









caravan
speechless










6 Down Wall


leak




6



girder













street













noon













rip-tooth a












sky













acetylene













derricks
cloud-flown afternoon turn









cables
Thy
breathe









North Atlantic

still









7 heaven
obscure






5



the Jews













guerdon
Thy











thou


accoladate













dost













bestow









anomymity













time


raise









reprieve
vibrant











pardon















thou
do













show










© Copyright by Eiya Iwata, 2012









2。The Bridgeについて



2。The Bridgeについて

2.1 The Bridgeという題名の意味
すでに、Black Tambourineの解釈でお伝えしましたように、Bridgeとは、男色者達が連なって数珠つなぎになる肛門性交の姿、その列そのものを言ってます。

2.2 The Bridgeという詩集の体裁(聖書の体裁のパロディーとしての)

そうして、誠に背徳的、涜神的なことに、Craneは、このThe Bridgeという題名の詩集の体裁を、キリスト教の伝統的な聖書の体裁に真似てつくっているのです。

即ち、聖書という神聖な書物の涜神的なパロディーとしているのです。

それゆえに、表紙のThe Bridgeという題名の下に、ヨブ記からの引用をして、エピグラムとしてもいるのです。

このエピグラムもまた、しかし、Craneらしいセンスで、ヨブ(Job)記という意味と、仕事(Job)の記という意味との掛言葉にもなっています。

エピグラムの「地下で行ったり来たり、そして地下で歩いて行ったり来たりすることから」とある「地下」という言葉は、既に説明しましたように、昼間の仕事の後、男色者達が夜な夜な集まる地下室、牢獄、地獄のことを指し示しています。

ですから、Book of Jobとは、昼間の酷使され、男色者の決まり事を否定する社会で仕事をして、疲労困憊した人間の記という意味でもあるのです。

そうして、男色者であるということで多分多いに差別されて、賃金も安い仕事につく以外にはなかなかなかった、そのような男色者の仕事の記という意味です。

話が戻りますが、The Bridgeという題名の他にも、涜神的な言葉の掛詞の遊びをCraneは、実によくやる詩人です。

例えば、Buddhaを複数形のBuddhasとして、仏陀のケツの穴としたり、crossという、十字架というキリスト教にとっては神聖な言葉を、そのcrossという言葉の意味から、男色者の性交(クロスする)という意味に使ったり、これらのことは、幾つも例がありますし、Craneの詩の中にはふんだんに出て参ります。

このような、性的な譬喩を使って、現実や、権威や、(男色を否定する)社会に抗い、茶化し、あてこする言葉遊びを、英語で、dallyと言います。

わたしの持っているThe Complete Poems of Hart Craneの序文を書いているHarold Bloomの言によれば、これはWhitemanもそういう言葉遊びをしているということなので、アメリカの文学史の上では、Whiteman以来の男色詩人のものの言い方、言葉の使い方だということができると思います。

(実際、Craneは、Chaplinesqueという詩の中では、dallyという言葉を詩の中に登場させて使ってもいます。第3連2行目。)

男色を強く否定する社会の中で、あるいは外で、生きるために男色者が必要とした言葉の技術なのだとおもいます。

そうやって、dallyすることで、我と我が身を社会から護ったのです。


[註釈]
Craneがエピグラムで引いている上の言葉は、旧約聖書の「ヨブ記」の冒頭の部分の有名な言葉です。

神(ヤハウェ)がサタンに尋ねます。「お前はどこから来たのか」、それに対するサタンの答えがこの言葉なのです。

ここから神はあの善良極まりないヨブを恐ろしい地獄のような試みの前に立たせることになるのです。このサタンが神にいいます。

あなたの善良な僕ヨブだって、あなたが守護してくれるからあなたを畏れるのだ、あなたの手をのばして彼の財産を奪ってみなさい、きっとヨブはあなたを呪うでしょう。

神はこのサタンに命じます「彼の持ち物をみなお前の手にまかせよう。ただ彼の身にお前の手を伸ばしてはいけない」、こうして過酷な試練がヨブに始まります。

そのJobに、男色者の我が身を譬えたわけです。


2.3 The Bridgeの構造(わたしの仮説)

このThe Bridgeという詩集の中におかれている詩も、white Buildingされているのではないだろうかというのが、わたしの仮説です。

その可能性は、十分にあって、まづ何よりもこれから話をする、Proemと題さて最初におかれたTo Brooklyn Bridgeがやはりwhite buildingした詩だからです。

従い、詩の後に続く8篇も、同じ構造で出来ているではないだろうかというのが、わたしの推理であり、仮説です。

即ち、例えば、

(1)I, VIII)(Ave Maria, Atlantis)
(2) (II, VII): (Powhantan's Dawn, The Tunnel)
(3) (III, VI): (Cutty Sark, Quaker Hill)
(4) (IV, V): (Cape Hatteras, Three Songs)

単に、ひとつひとつの詩をバラバラに読むのではなく、それぞれがそれぞれの階層で繋がりを以て製作されているので、その繋がりを読み取り、全体としての詩集の解釈が成立することになります。

これは、仮説として、ここに備忘として残しておくに今回は留めます。


1。Hart Craneを理解するための練習


 

  [配付資料]
   
   Hart Craneの詩作法と解釈

   【表の題】男色者の詩を男色者の詩として読む
   【裏の題】白い建物とブルックリン橋
 

1。Hart Craneを理解するための練習
1Black Tambourineを読む(第一詩集、White Buildingsから)

To Brooklyn Bridgeを読む前の練習として、まづBlack Tambourineを読みたいと思います。

この詩を読み、理解することで、To Brooklynbridgeの理解が容易になるようにと考えたものです。

これは、Hart Craneの最初の詩集、White Buildingsの中の2番目の詩です。

Black Tambourine

The interests of a black man in a cellar
Mark tardy judgment on the world's closed door.
Gnats toss in the shadow of a bottle,
And a roach spans a crevice in the floor.

Aesop, driven to pondering, found
Heaven with the tortoise and the hare,
Fox brush and sow ear top his grave
And mingling incantations on the air.

The black man, forlorn in the cellar,
Wanders in some mid-kingdom, dark, that lies,
Between his tambourine, stuck on the wall,
And, in Africa, a carcass quick with flies.


まづ詩集の名前、White Buildingsとはどういう意味でしょうか。

この題名の詩が、詩集の中にあるわけではありません。

White Buildingsとは題名がそのまま意味する通り、白い建築物です。一篇の詩を階層化して建築しているのです。つまり、Black Tambourineの例で行けば、

Black Tambourineは、全部で3連からなる詩、これを

2階(1、3)
1階(2、2)

として設計し、構築した詩が、Black Tambourineということになります。

実際には、後述するように、この詩は、その歌い方からいって、

1階(1、3)
地階(2、2)

という構造になっています。

先回りをすると、地階とは、地獄という意味でもある。舞台は、cellar、地下室であり、夜な夜な男色に耽る男色者の牢獄であり地獄です。(cellという同じ地獄、牢獄、監獄を意味する言葉が、やはり、To Brooklynbridgeにも出て来ます。)

辞書は、Merrian-Webster Onlineを使います。

この詩を訳してみましょう。普通に訳すと、こうなります。わたしは、表の訳と呼んでいます。普通に表面的に読んだら生れる読みのことです。まづ、第1連から。

The interests of a black man in a cellar
Mark tardy judgment on the world's closed door.
Gnats toss in the shadow of a bottle,
And a roach spans a crevice in the floor.


【表の訳】
とある地下室に、ある黒い色した男が独り
その男の興味と関心が、
世界が閉じた扉なのか、それとも扉が閉じて世界を締め出したのか
その扉の上に、遅れた(遅い)判決文をしるす。
吸血の藪蚊共が、ある壜の影の中で、休み無く、行ったり来たり、登ったり降りたり、
そして、一匹のゴキブリが、床の中のある割れ目に、身を伸ばして、架かっている。

しかし、これは一体、何をいっているのでしょうか。そう考えながら、裏の訳を試みてみましょう。

Hart Craneは、この詩の中にいつものように暗号を隠しています。あるいは、詩を暗号化して、裏の詩、すなわち男色者の喜びと悲しみを歌う詩としても読めるように書いています。

この詩の題名から見てみましょう。

Blackという色の名前がつけられている。

これは、詩集の名前であるWhite Buildingwhite、この白と対極の、それゆえCraneの詩の中では、互いに相通じて最後には(浄化されて)反転してもう一方の意味になる、そのような黒、即ち罪深い、涜神の、背徳の男色者の黒という意味です。

Whiteは、それに対して、浄化された、汚れの無い、男色の罪の赦されたという意味です。

それが、White Buildingの意味であり、そのような作品群がWhite Buildingsです。

詩をbuildingすることで、文字通りに垂直方向に言葉の建物を階層化して立てることで、更に、そうやって構築された詩が、男色者の罪を赦されるものとしてある、そのような祈りの詩とすることで、whiteになる男色を歌った詩、これがHart Craneの詩なのです。

Tambourineとは、同じ詩集の中の別の詩、Chaplinesqueで述べた、チャーリー・チャップリンの主人公がかぶっている黒い山高帽、black hatと同じものを指しています。あるいは、The Bridgeという別の詩集の冒頭にあるTo Brooklyn Bridge (このToは斜字体でなければならない。その理由は後述します。)、その詩の中の3連目の最後の行に、the same screenと歌っているものと同一の物、男色者が使用する性具です。

それは、何かタンバリンのような形をしていて、あるいは山高帽のような形をしていて、円環の枠に柔らかな布をスクリーンとして掛けてある、そのような代物、男色者の性具。これをどのように使って、そこから複数の男が快楽を引き出すのか、わたしは一寸想像が難しいのですが、しかし互いに役割を演じ分けて、ホストとゲストになって、それぞれサービスを提供する側と享受する側になって、互いによろこびを分ちあうのです。

同じWhite Buildingsの中にあるChaplinesqueという詩を読みますと、その場合に、往々にして、男色者は、自らを中世の騎士に喩えて、その役割を演じ、ということは、ゲストになり、ホストである貴婦人からの、性的にはどういうものかはわからないが、褒美をもらうという、そのような劇を演ずるのです。このように、男色者たちの性行為の世界は、非常に高度に洗練された文化の世界です。

Chaplinesqueとは、そのまま表面的に読めば、チャップリン風とかチャップリン様式という意味ですが、Craneは掛詞と縁語の名人です。裏の意味では、Chaplinesqueは、Chapline's queの意味で、真っ黒な男色の罪に汚れた男色者達の肛門性交の列、肛門性交の数珠つなぎという意味です。

このようにCraneの詩の題名には必ず男色の意味が掛けられ、隠されています。詩そのものについては、言うまでもありません。Black TambourineChaplinesqueは、ほんの一例です。)

さて、Blackという色は、そのような色だとして、実はCraneは、それ以外に、whiteは勿論のこと、purplegoldgreenvioletambergreysapphireredpinkblueなどという色彩を詩の中にちりばめていて、天体の場合と同様に、ここにも色に関するCraneの創造したシステムがあるものと思われます。Ambersapphireは、色彩ばかりではなく、もうひとつある鉱物の名前のシステムと踵を接する色彩語だと思います。これらの言葉の体系については、また後日探究することにしたいと思います。

さて、いよいよ男色詩人の詩を男色者の詩として読むことに入って参りたいと思います。

最初に理解してもらいたい記号、暗号は、アルファベットのAという文字の意味です。

Merrian-Webester Onlineから以下にひきます。

Definition of A

1 a : the 1st letter of the English alphabet
b : a graphic representation of this letter
c : a speech counterpart of orthographic a
2: the sixth tone of a C-major scale
3: a graphic device for reproducing the letter a
4: one designated a especially as the first in order or class
5 a : a grade rating a student's work as superior in quality
b : one graded or rated with an A
6: something shaped like the letter A
7 capitalized : the one of the four ABO blood groups characterized by the presence of antigens designated by the letter A and by the presence of antibodies against the antigens present in the B blood group

この引用の定義の6番をご覧下さい。

大文字のAに形状が似たものをAで表すとあります。

結論から申しますと、アメリカの男色者は、このAを、人間が前屈みに腰を折り、そうして尻を上げて、肛門性交のための姿勢をとる、そのような男色者のポーズとして使っているのです。

このAを想起させる言葉であれば、それはすべて男色の、男色者の、そのようなポーズを裏で意味することになります。

Craneが10代で書いた恐らく最初の詩、C 33には、tentという言葉が出て来て、

And he tented with far truths he would form

という一行があります。

tentは、文字通りにテントを張るという意味ですが、その形状はAであり、それはそのまま男色の行為を意味するのです。

同様に、loft(屋根裏部屋)とかloftyいう言葉もCraneの詩の中に出て来ますが、その形もAですので、同じ姿勢をとることを意味しています。(このloftという言葉も同じ意味で、To Brooklyn Bridgeにも出て参ります。)

そうすると、C 33の上の一行の表の訳は、

そして、彼は、彼が形作りたいと思ってつくった遠い数々の真実でテントを張った

ということになり、裏の訳では、

そして、彼は、彼が形つくりたい、世間とは際立って異なる衷心から、尻を上げ、肛門性交のポーズをとった

という訳になるでしょう。

(この詩を書いた10代のCraneは既に男色者であったことを、この詩、C 33は意味しています。C 33という題名の裏の意味も興味深いものがあります。

この題名を発声すると、C33ではなく、C 33ですので、See a space thirty threeとなります。A spaceが隠れています。男色者の空間、場所を見よという意味になります。

また、thirty threeは、この詩の中に出て来る、類似の発音としてある、Thorny treeにかかっています。棘のある木とは、男性のペニス、それも肛門に入って来たペニスの感触のことです。ですから、この言葉は受け身の側の男色者の言葉です。See thorny tree、ちくちくする棘のあるペニスを見よという意味です。ですから、10代のCraneは、肛門にペニスを入れられた体験をC 33で歌っているのです。)

Aという文字は、辞書をひくと、またその複数形がAsであり、発音が尻の穴に同じであることから、このAを冠したことばには、そういう意味からも、男色者としての意味が掛けられています。

このAについての暗号としての記号の意味が、まづ最初に理解をしてもらいたいことです。

さて、大文字のAがそうであれば、当然のことながら、小文字のaもそうだということになるでしょう。

そうして、Black Tabourineの中から、不定冠詞のaのついた名詞を拾いだして、列挙すると、次のようになります。

Craneの詩を解読するには、まづ英語の不定冠詞、aまたはanを探してみるのです。そうすると、次のようなものがあることに気付きます。

a black man
a celler
a bottle
a roach
a crevice
a carcass

そうすると、

a black manは、文字通りに罪深き男色者
a cellerは、男色者の地獄、秘密の場所
a bottleは、その形から、男色者のペニス

a roachは、ゴキブリであるが、しかしcockroachということのcock、即ちペニスが無い、言わば男としては性的に無能力の、そのような男、男色者という意味です。

このように男色を意味する語を隠して顕すというやり方をCraneはよく行います。

詩集The Bridgeの中の一篇、Van Winkleという題も、本来ならば、Rip Van Winkleの筈ですが、敢えてRipという男色に関わる言葉を隠して題としているのです。

Ripとは、ペニスに歯を立てて快楽を与えると同時に、いささかの血も流れる位に傷をつけること。このVan Winkleという詩は、そういう男色の詩だよという含意をその題にこめているのです。

このRipCrane好みの言葉で、To Brooklyn Bridgeの第1連にも、Ripplingとして、また同じ詩の第6連には、Rip-toothとして出て来ます。

a creviceは、男色者の割れ目、すなわち尻の割れ目とその穴のこと。
a carcassは、Websterによれば、

1: a dead body : corpse; especially : the dressed body of a meat animal
2: the living, material, or physical body (I hauled my carcass out of bed)
3: the decaying or worthless remains of a structure <(he carcass of an abandoned automobile)
4: the underlying structure or frame of something (as of a piece of furniture)

とあることから、性的快楽の絶頂を経験した後、死体のように横たわっている男色者のことか、あるいは、そもそも男色者が人間としては、男性の能力もなく、さながら生ける屍だという意味です。

そうするとこの詩の訳と解釈は、次のようになります。第1連から見て見ましょう。


【裏の訳】

The interests of a black man in a cellar
Mark tardy judgment on the world’s closed door.
Gnats toss in the shadow of a bottle,
And a roach spans a crevice in the floor.

男色の罪に穢れた男色者が秘密の場所、地獄か地下牢ともいうべき場所にいる。
男色者の興味は、世間から閉め出された、あるいは男色者が世間に対して締めて閉ざしたドアの上に、遅い判決を書きしるす。
ペニスの蔭で、蚊がさすような微妙なトス、ベニスを下から上へと
快楽を感じるように撫で上げる、そのことよ。そうして、
ベニスは、大きくなって、この地獄のフロアーで
男色者の尻の割れ目に突っ込んで、目一杯鰓(えら)も張り出すのだ。

【解釈】

男色者達は、快楽をむさぼり終わるごとに、ドアに回数を書き、そのよかった程度を何らかの印で書きしるしたものなのではないだろうか。それは、快楽の余韻を味わうのに忙しく、点数を書きしるすのは、つまり、判決を書く事は、それよりも遅れてしまうのだろう。

判決と訳したのは、Chaplinesqueにおいて、男色者の性的行為を歌った中に、

our obsequies are, in a way, no enterprise.

とあるからです。

Chaplinesqueを読むと、我々男色者の世界の死刑執行は、男色者の流儀で、やりかたで(in a way)、ビジネスなのではなく、利害打算のない純粋なものであり、そのような形で男色者は性交の一回毎に、死ぬのだといっているからです。

このobsequies(死刑執行)は複数でもありますから、実際に、男色者の裁く側がいて、相手が絶頂のときに、死ねとか、死刑だとかいうのだと理解することができます。

Tossは、Craneの好みの言葉、他の詩でも出て来ます(たとえば、同じ詩集のSunday Morning Appleの第5連の1行目)。

大きく膨張した状態の亀頭を林檎と呼んでいます。

また、林檎Appleを、A peopleneumonic(母音を約した縮約形)にして、男色者達という意味に掛け、その林檎をtossすると歌うのです。

林檎をトスするとか、わたしの林檎をトスしてくれと、実際に男色者達は性行為の最中に、そう言葉として使うのだろうと思います。

次に、第2連を見て見ましょう。

Aesop, driven to pondering, found
Heaven with the tortoise and the hare,
Fox brush and sow ear top his grave
And mingling incantations on the air.

これも、表通りで、普通に読むと、本当に何を言っているのだろうと思うような詩です。

【表の訳】

イソップは、何かに駆られて沈思黙考しているうちに、亀と兎のいる天国を見つけたが、狐の尻尾と牝豚の耳が、イソップの墓穴を頂点にもってゆき、そうして空気に触れて呪文を混ぜる。

【裏の訳】

イソップ(男色者)は、尻を上げてAのポーズをとっているが、強いられて心の中で静かに味わっていると、兎と亀の天国、すなわち感じてはやく行くのが勝ちなのではなく、行くのが遅い方が勝ちなのだというお話通りの天国を発見するし、狐の尻尾のブラシと牝豚の耳で、イソップが快感の絶頂で死に到るように感じさせる。周りで、行くのがもっと遅くなり、絶頂感が長く続くようにという呪文を、実況中継して、そこに混ぜ入れながら。


【解釈】

Aesopとは、これもCrane好みの言葉で、最初から仕掛けがあります。

このイソップという童話の作者の名前をひっくり返すと、Pose A、即ちAという尻を上げた姿勢をとる、その姿勢という意味になるからです。

また、イソップは、アフリカ生まれの黒人であったという説があり、それが念頭にあって、Craneは、この詩を書いています。それは、第1連にあるa black manに始まり、第3連にあるAfricaに到るまで、そうです。黒い色が何を意味するかは、上述の通りです。

表の訳の方に無理があって、表の訳を考えていると、そのまま裏の訳に到る。表裏不可分という感じが、訳していると、します。

狐の毛でできたブラシと牝豚の耳というのは、膨張したペニスには、特に優しく、感じやすくさせるものなのでしょう。だから、そのときの呪文とは、すぐ行かずに、もっと長く持ちますようにという、そのようなおまじないの言葉です。

兎と亀の話は、イソップの有名な話ですが、ここでは、速い兎が負け、遅く行く亀が勝ちという結末から、先に行ったら(射精したら)負け、遅く行った(射精した)方が勝ちという、そういう話を、性行為の最中に、周囲の男色者達が実際に、そういって囃していることをいっているのだろうと思います。

On the airは、Craneの色々な詩によく出て来る言葉ですが、結局、これは、性行為をしているふたり(あるいは、もっと多くの複数人)の周囲にいる他の男色者達が、その行為を見ていて、実況中継をしているととることが、一番自然のように思うので、そのように訳しました。

mingling incantations on the airを、そのまま普通に訳しても、全く何を言っているのか、わからないことでしょう。

最後に、第3連を見てみましょう。

The black man, forlorn in the cellar,
Wanders in some mid-kingdom, dark, that lies,
Between his tambourine, stuck on the wall,
And, in Africa, a carcass quick with flies.


【表の訳】

その黒人は、地下室にひとりになって、
壁にかかっている彼のタンバリンと
アフリカにあって、蠅がたかっている
死んではいない体との間にある、暗い
或る中間の王国をさまよう。

【裏の訳】

男色の罪にけがれた男は、地下牢の、地獄の中で
孤独なまま、自分のものだといいたい、前位置に
壁のように立っている男のそのタンバリン形の
性具と、それから、何度も行きそうになりながら、
まだ絶頂にまで行かずに、従ってまだ生きていて
死んではいない、射精をこらえている男色者、
肛門性交に至らない男色者との間にある
男色者の中間の王国をさまよっている。

【解釈】

someは、Websterによれば、

Etymology:
Middle English som, adjective & pron., from Old English sum; akin to Old High German sum some, Greek hamesomehow, homos same - more at same

とあることから、Craneは、homosという語源、語釈にホモの意に掛けて、この語を使っています。Sameも同じ使い方をしています。

ですから、Craneの詩の中に、somesameという言葉が出て来たら、それは例外なく不定冠詞のaと同じ意味を持たせているのです。

このsomesameは、To Brooklyn Bridgeにも頻りに出て参ります。

従い、some mid-kingdomとは、男色者、同性愛者の中間の王国という意味になります。しかし、中間の王国とは何でしょうか。

男色者達が、性行為をしているときに、中世の騎士物語を演じるということは、上に書いた通りです。ですから、some kingdom、男色者の王国なのだと思います。

しかし、mid-とは何か。これは、Craneが、To Brooklyn Bridgeにも出て参りますので、そこで詳述しますが、また別に男同士の性行為の様子を、太陽系の星の運行に喩えていたことを考えて下さい。

そうすると、3つの星があって、この穢れた罪深い男、黒い男は、太陽、地球、月のうち、まん中の位置にいると考えることができます。

いづれにせよ、太陽は動かぬ位置にあり、地球は太陽を周回し、月は地球にいつも表だけを見せて自転せず、尻を向こうに向けたままの位置にいる星です。

(太陽の位置にいる男は、支配者であり、自分の前に列をなす、肛門性交の男色者達に号令を掛けて、リズムをとり、前に後ろに、右に左に、男色者達にステップを踏ませて、その性行為を宰領するのだということが、To Brooklyn Bridgeを読むと、よくわかります。

男色者は、Chaplinesquequeのことを、即ち、男色者達の肛門性交の数珠つなぎのことを、また別名の暗号でbridge、橋と読んでいます。)

この男の位置は、地球であると、しておきましょう。太陽のペニスをくわえ、尻には月のペニスが挿入されている状態、それが、wander in some mid-kingdomということだと思います。

また、Wallとは、

something resembling a wall (as in appearance, function, or effect); especially : something that acts as a barrier or defense

ということから、太陽の位置にいて、突っ立っている男のペニスに被さっている性具と解釈します。その性具の役目は、地球の位置にいる男色者の舌や手の刺激から、早く行ってしまう(射精する)ことを、なるたけ遅くすること、即ち、something acts as a barrier or defenseという意味です。

Africaとは、何故アフリカなのでしょうか。これもこの語を深く調べてゆくと、

continent of the eastern hemisphere S of the Mediterranean & adjoining Asia on NE area 11,677,239 square miles (30,244,049 square kilometers)


とあり、実は、ここにあるcontinent(大陸という意味に普通はいうもの)を、更にcontinentを調べると、Craneは、continenceということから、

self-restraint; especially : a refraining from sexual intercourse

という意味をAfricaという言葉に隠しているのです。

セックスを我慢するという意味です。

そう思って見ると、AfricaにもAという文字が入っている。だから、アナル・セックスを我慢するという意味になる。

このように考えて来ると、

And, in Africa, a carcass quick with flies.

とは、何度も行きそうになりながら、まだ絶頂にまで行かずに、従ってまだ生きていて死んではいない、射精をこらえている男色者、肛門性交の完成に至らない男色者という意味になる。

Fliesを、

a brilliant, imaginative, or unrestrained exercise or display a flight of fancy

ととることもできると思います。

さて、こういうわけで、表の訳と裏の訳を、それぞれ並べて、この第1章の、Hart Craneを理解するための、まとめと致します。


【表の訳】

とある地下室に、ある黒い色した男が独り
その男の興味と関心が、
世界が閉じた扉なのか、それとも扉が閉じて世界を締め出したのか
その扉の上に、遅れた(遅い)判決文をしるす。
吸血の藪蚊共が、ある壜の影の中で、休み無く、行ったり来たり、登ったり降りたり、
そして、一匹のゴキブリが、床の中のある割れ目に、身を伸ばして、架かっている。

イソップは、何かに駆られて沈思黙考しているうちに、亀と兎のいる天国を見つけたが、狐の尻尾と牝豚の耳が、イソップの墓穴を頂点にもってゆき、そうして空気に触れて呪文を混ぜる。

その黒人は、地下室にひとりになって、
壁にかかっている彼のタンバリンと
アフリカにあって、蠅がたかっている
死んではいない体との間にある、暗い
或る中間の王国をさまよう。


【裏の訳】

男色の罪に穢れた男色者が秘密の場所、地獄か地下牢ともいうべき場所にいる。
男色者の興味は、世間から閉め出された、あるいは男色者が世間に対して締めて閉ざしたドアの上に、遅い判決を書きしるす。
ペニスの蔭で、蚊がさすような微妙なトス、ベニスを下から上へと
快楽を感じるように撫で上げる、そのことよ。そうして、
ベニスは、大きくなって、この地獄のフロアーで
男色者の尻の割れ目に突っ込んで、目一杯鰓(えら)も張り出すのだ。

イソップ(男色者)は、尻を上げてAのポーズをとっているが、強いられて心の中で静かに味わっていると、兎と亀の天国、すなわち感じてはやく行くのが勝ちなのではなく、いくのが遅い方が勝ちなのだというお話通りの天国を発見するし、狐の尻尾のブラシと牝豚の耳で、イソップが快感の絶頂で死に到るように感じさせる。周りで、行くのがもっと遅くなり、絶頂感が長く続くようにという呪文を、実況中継して、そこに混ぜ入れながら。

男色の罪にけがれた男は、地下牢の、地獄の中で
孤独なまま、自分のものだといいたい、前位置に
壁のように立っている男のそのタンバリン形の
性具と、それから、何度も行きそうになりながら、
まだ絶頂にまで行かずに、従ってまだ生きていて
死んではいない、射精をこらえている男色者、
肛門性交に至らない男色者との間にある
男色者の中間の王国をさまよっている。


0。Hart Craneを読むためのレジュメ


2012/05/02


Hart Craneを読むためのレジュメ

Hart Craneは、1899721日にアメリカのオハイオ州に生まれ、1932年4月27日に、メキシコからニューヨークに帰る途上、船の上から身を投げ自殺して、その生を終えました。享年33歳。

彼が、10代に書いた(今残っている)最初の詩の題名、C 33という題名が、既に一生の時間の長さを暗示していたとさえ思われるほどです。(C 33を読みますと、Hart Craneは、この詩を書いたときに既に男色者でした。)

今回、ミッドナイトプレス社のご厚誼により、Hart Craneについてお話をする機会を得て、わたしがあなたにお伝えしたいことは、次の3つのことです。

1。偏見なしに、男色者の詩を男色者の詩として読むということ。
2。Hart Craneの詩の言葉の美しさを知ってもらいたいということ。
3。この詩人の創造した、言語による複雑な多義的なコンテクストを体感して戴きたいということ。

Black TambourieTo Brooklyn Bridgeという2つの詩を読むことを通して、この3つのことが、あなたに伝えることができれば、有り難いと思っております。

そのために、下記の順序で話を致します。

限られた時間の中で、できるだけのことをお伝えしたいと思います。

よろしくお願い致します。

              記

1。Hart Craneを理解するための練習
1Black Tambourineを読む(第一詩集、White Buildingsから)
   1⃣白い建物、White Buildingsとは何か
   2⃣男色と男色者であることを意味する記号と暗号
   3⃣表の訳と裏の訳

2。The Bridgeについて
(1)The Bridgeという題名の意味
(2)The Bridgeという詩集の体裁(聖書の体裁のパロディーとしての)
(3)The Bridgeの構造(わたしの仮説)

3。To Brooklyn Bridgeを読む
(1)Proemについて:何故To Brooklyn BridgeToは斜字体なのか
(2)ブルックリン橋にての構造(白い建物としての)
(3)ブルックリン橋にてを読む
(4)表の訳と裏の訳

[配付資料]
(1)Black Tambourineを読む
(2)The Bridgeについて
(3)To Brooklyn Bridgeを読む
   1⃣To Brooklyn Bridgeの構造
   2⃣To Brooklyn Bridgeを読む
   3⃣表の訳と裏の訳



第24週:norbert von xanten (ノルベルト・フォン・クサンテン) by Norbert Hummelt (1962 - )



第24週:norbert von xanten (ノルベルト・フォン・クサンテン) by Norbert Hummelt (1962 -  ) 

【原文】

norbert von xanten

hl. norbert bitte für mich
an deinem todestag ich denke nur an dich
der du wie die legende will
konntest als junker machnen schluck vertragen
bis du im walde fast vom blitz erschlagen
hl. norbert bitte für mich
der du wie die legende will
konntest auf heilignuechternen magen
selbst jene giftige spinne vertragen
welche dir unter den einsetzungsworten
fiel in den kelch den du leertest auf ex..
u. die legende will es dass die spinne kroch
ohne dir weh zu tun aus deinem nasenloch..
hl. norbert wie werd ich asket
hl. norbert es ist schon spät
hl. norbert bitte für mich
an meinem namenstag ich denke nur an dich


【散文訳】

ノルベルト・フォン・クサンテン
(クサンテンのノルベルト)


聖人ノルベルトよ、どうかわたしのために嘆願してくれ
お前の死んだ日に、わたしはただお前のことを思うから
伝説のようにありたいと思い
森の中でほとんど電光に打ち殺されるまで
ユンカーとして幾多の酒の一気飲みに堪えることができたお前を思うから
聖人ノルベルトよ、どうかわたしのために嘆願してくれ
伝説のようにありたいと思い
神聖なほど冷静な胃袋で
あの毒蜘蛛、聖体制定の言葉の最中に、お前が乾杯をして一気に飲み干したそのお前の杯の中に落下したあの毒蜘蛛にさえ堪えることができたお前聖人ノルベルトよ
そして、伝説は、その蜘蛛が這って
お前に苦痛を与えずに、お前の鼻の穴から出て来るという事を欲するのだ。
聖人ノルベルトよ、どうしたらわたしは禁欲者になれるのだろうか
聖人ノルベルト、もう遅いよ
聖人ノルベルトよ、どうかわたしのために嘆願してくれ
わたしの聖名祝日に、わたしはお前のことだけを思うから


【解釈と鑑賞】

この詩人のドイツ語のWikipediaです。

http://de.wikipedia.org/wiki/Norbert_Hummelt

詩の題名であるvon XantenのXantenという地名についての日本語のWikipediaの記述をお読み下さい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/クサンテン

一部引用しますと、

クサンテンとは、オランダ国境に近く、ライン川左岸に位置する小さな町。

クサンテンとは、聖者達の場所という意味とのことです。

聖ヴィクトル大聖堂の守護聖人ヴィクトルは、キリスト教徒の大迫害で知られるディオクレティアヌス帝の時代に、クサンテンの近くで殺害されたとされる。現在は大聖堂の前にヴィクトルの立像が飾られている。

クサンテンは、ブルグント族の英雄叙事詩に基づいて作られたワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』に登場するジークフリートの生誕地ともされている。
と、またこのような土地、このような町です。

クサンテンという地名を思ったのは、ここが殉教者の土地だからかも知れません。

しかし、いづれにせよ、聖人ノルベルトというひとは、11世紀の後半から12世紀の始めに歴史に存在した信心深い僧侶でした。これは、実在の人物です。

とはいえ、その事蹟を読んでも、この詩のように、毒蜘蛛が鼻の穴から出て来たというような話はありません。

ですから、クサンテンの聖人ノルベルトが実際にいたかはわかりません。

この詩で歌われている聖人ノルベルトを実在の人物ととるもよし、仮構の人物ととるのもよし、だと思います。

何しろ、これは詩の世界、文学の世界のことですから。

ユンカーが何故酒を一息で呑むことに堪えなければならないのか、これがよくわかりません。ご存知の方がいれば、お教え下さい。

また、この詩は、本歌取りの詩で、何かの典拠のパロディーになっているのだと思います。本歌をご存知のかたがいらしたら、お教え下さい。

詩中の聖名祝日とは、当人と同じ名前の聖徒の日、ということです。