2011年12月17日土曜日

Stundenglas(砂時計):第53週


Stundenglas(砂時計):第53週

by Annette M. Baye (1926年生まれ)

【原文】

Was heute ist geht zu Ende
was morgen ist weiss Gott
aber wir wissen es auch
wir lachen und tanzen
da ist das Morgen
dreht im Gehn uns eine Nase
und Laesst mit unserm Lachen
uns im Gestern das vergeht.


【散文訳】

今日あるものは、終わりになる
明日あるものは、神のみぞ知る
しかし、わたしたちも知っている
わたしたちは、笑い、そして踊る
そうすれば、それが明日だ
過ぎ行きながら、わたしたちを愚弄して喜び
そして、わたしたちが笑えば
わたしたちを、過ぎ去って行く昨日の中に置いて行くのだ
 
 

【解釈】

この詩人は、セネガルの詩人です。

情報の量は僅(わず)かですが、この詩人のWikipediaです。

http://en.wikipedia.org/wiki/Annette_Mbaye_d'Erneville

原詩は、フランス語でかかれています。

この詩は何をいっているのでしょう。

明日は、いつも期待を裏切る。

昨日は、いつも裏切られた過去の事実だ。

しかし、わたしたち人間は、この今を笑って生きているのだ。

ということでしょうか?

詩の題名が砂時計とあるように、この詩の主題が時間であることは間違いありません。

わたしの考えでは、今という時間はいつも既に過去の事実です。

わたしたちは時差の中に生きている。

夜の星座を観ていることを思い出して下さい。あの光は既に過去の映像を運んでくる。それならば、あなたの隣にいて話をしているひととの間にも、実は時差があるのではないでしょうか。

そうしてその時差を伴った事実の現れは、未来の予兆を含んでいる。

さて、今日で2011年(平成23年)の、このカレンダーの詩53篇を訳し終え、訳された詩が過去の事実の現れとして今目の前にあります。

これが未来のどんな予兆であるのか、年末年始にまた来年のカレンダーの詩を眺めながら、ゆっくりと考えることに致しましょう。

この詩人によれば、踊り、笑いながら。



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