2011年10月15日土曜日

saudade(サウダーデ):第43週


saudade(サウダーデ):第43週

by Elisabete P.Ferreira Koeninger(1959年生まれ)


【原文】

in meinem Land
wird der Tisch gedeckt
Fruchtsaft
schwarzer Kaffee
Papayas, Kaese, Brot
und 35 Grad im Schatten

in Deutschland
is jetzt Kuchenzeit
wir trinken Tee auf dem Sofa
ziehen uns zusammen
unter der Wolldecke


【散文訳】

わたしの国では
食事時になると
果実のジュース
黒いコーヒー
パパイヤ、チーズ、パン
そして、日陰は、35度になる

ドイツでは
今、お八つの時間で
わたしたちは、ソファーに座って、お茶を飲んだり
毛布の中で
身を寄せ合って、一緒になっている


【解釈】

サウダージとは、ポルトガル語で、「郷愁、憧憬、思慕、切なさ、などの意味合いを持つ、ポルトガル語およびガリシア語語彙。」だそうです。

その他、詳細な説明は、以下のWikipediaへ。

http://goo.gl/554KL

この詩人は、名前を拝見すると、ポルトガルとの混血の詩人なのでしょう。

そう思うと、一寸、やはり異国的な感じがします。

ふたつの国と文化の間に立って、郷愁、憧憬、思慕、切なさを、ポルトガル人のこころで、ドイツ語で歌った詩ということになるでしょう。

名詞だけを、最初の文字を大文字にするという正書法の規則に従っていて、後はみな小文字で書いています。

その書き方は、どこかこの詩の与える印象、簡素で、衒(てら)いがなく、率直だという印象につながっているかのようです。







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