Mittags um zwei(いつものお昼の2時に):第23週
by Guenter Eich (1907 - 1972)
【原文】
Der graue Spitz des Pfarrers
an der Sakristeituer.
Vor seinen erblindenden Augen
schwirren im Sand die Fluegel der Sperlinge.
Er spuert wie Erinnerungen
die Schnur des Fasanenbuendels,
die in der Friedhofsmauer als Riss erschien,
das Beben der Grabsteine,
wenn die Raupe buckelt vorm laehmenden Stich,
die Verfaerbung der Ziegel
beim Schrei des sterbenden Maulwurfs.
Gelassen vernimmt er
das Geruecht aus den Waeldern,
die Tore des Paradieses wuerden geoeffnet.
【散文訳】
牧師の飼っている灰色のスピッツが
祭具室の傍にいる。
その失明している目の前
砂の中で、雀の翼が音を立てて廻っている。
犬は、思い出のように
雉の羽を束ねている紐を感じていて、
紐は、墓地の壁の中で、割れ目として現れている
墓石が振動する
芋虫が、麻痺させる一突きの前で背中を丸める度に
煉瓦が変色する
死につつあるモグラの叫びで
冷静に、犬は、
森の中からやってくる匂いを知覚する
天国の扉が開かれると思う
【解釈】
ドイツ人と日本人では、お昼の感覚が違うのだろう。
午後の2時も、Mittag、ミッターク、日本語に当たる言葉では「お昼」なのだろう。
明るい時間帯の中核の時間帯を、お昼といっているのかと思われる。
この詩人のドイツ語のWikipediaです。
http://de.wikipedia.org/wiki/G%C3%BCnter_Eich
ドイツのラジオドラマの作者にして、抒情詩人とあります。
確かに、これは叙情詩なのだと思う。
何か、現代詩らしい、あるいは20世紀の現代詩らしい詩という感じがします。
これは、味わってもらう以外には、註釈は不要ではないかと思います。
Mittagsとあるので、このお昼は、ある一日なのではなく、毎日この時間が繰り返すという意味。
この詩の出来事も、毎日繰り返される。
午後2時に。
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