2010年4月15日木曜日

Hart Craneつれづれ草3

今日もYinglingさんの著作を読む。段々と話しが佳境に入って来る。あるいは、男色者の詩の本質的なことに触れ、その詩の解読に向かう。

男色者の詩は、やはり暗号化されているということ、その詩人の任意の(というのは私の言葉)sign、標識が立っていて、それで書かれているということを述べている。これは、Craneの詩の特徴を言い当てている。特徴は本質に至る。

Craneの詩については、

Meaning in Crane is always structural and relational, and finally, even the morphemes "trans" and "sign" in the passage above locate themselves as meaningful only in their relation to other passages of the text.

とあるのは、やはり、我が意を得たりという思いがします。

話しは変わりますが、まだ東京に出てきたばかりのことなので、19か20のことではなかったかと思いますが、今となっては何故そこにいたのかはわからないけれども、夜の8時頃六本木のアマンドの辺りを歩いていて、向こうから来た見知らぬ若い男に郵便局はどこですかと訊かれたことがあります。あるいは、ひょっとしたら、郵便局はまだやっていますかという質問だったかもしれない。何故か、この問いとその場面が長いことこころの中に引っかかっていて、その後も、あれは一体なんだったのだろうと思うこと度々でありました

しかし、あるときHart Craneの詩を読んでいて、その謎が解けたのであります。

Heterosexualの、そういう意味では正常な男性が、女性の秘所を指して、卑俗なアメリカの英語でpackageと呼ぶのをあるエロいビデオで知ったときに、何故To Brooklyn BridgeでCraneはparcelを歌ったのか、

The City's fiery parcels all undone

と歌ったのかを考えていて、その謎が解けたのでした。

このシティは、ニューヨーク・シティ、その金儲けの中心街区、Craneが夜には男色をもひさいだことのある町。その町と、古代の、ユダヤ人の聖書にある避難の町のシティと、ふたつの掛け言葉です。Craneは神聖なものにいつも冒涜の意味を掛け合わせて言葉を使います。それはもう、素晴らしい位に。

後者も罪を赦す町であるように、前者もそうであるという、そのような一行です。

わたしはが見た、そのエロい場面は、撮影者の男がその女に話し掛ける言葉に、お前のpackageは、素晴らしいという言い方があったのですが、これは、packageというのは、この場合明らかに女性の秘所をいう隠語でしたが、これが何故packageなのかがずっと疑問でありましたが、Craneのこの連に来て、そうして、第2連とは同じfloor、同じclass、同じlevelの連だということを念頭に措いて考えると、その謎が解けたのでした。

それは、何故女性の性器がpackageかというと、それは、男が開くものだから、そうして女が両脚を開いて、包まれている中身を見せるものだからです。開梱されるものだからです。

これに対して、parcelは、小包ですが、しかし、男性がそのpenisを男性の肛門に包んでもらうもの、それは女性のようには開かれないで、包まれるものという感覚であり、意味なのだと思います。それが、fiery parcelなのです。火のように痛く激しく感じる肛門性交。このことと、罪と、その浄めの祈りが、ユダヤ教の聖書という古典に分ち難く一体となって、詠われています。

Undoneとは、そのような男色の罪が一切なかったことになるという意味です。

話しが長くなりましたが、何故六本木の夜の路上で男に郵便局の場所を訊かれたのかというと、これが男色者の符牒であったからなのでしょう。そう気がついた次第です。これで、肯定すれば、その男は男色者であるとわかるのです。郵便局、そこは、郵便物、parcelを出して、隠語の世界でのコミュニケーションを図る場所だというこころなのでしょう。

当時は、今のわたしとは異なり、少年にずっと近い美青年でありましたから(と自分でいってはいけないけれども)、そのようなこともままあったように記憶しております。とはいえ、わたくしは今にいたるまで、女性の方がなによりもずっと好きであります。

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