第21週:Die Leiter zum Himmel (天への梯子) by Dschalal ud-Din Rumi (1207-1273)
【原文】
Den Freund sah ich heute.
dem alles zum Verdienst gereicht.
am Himmel nahm er seinen Weg
wie die Seele Mohammeds!
Ich sagte, "Zeig mir die Leiter,
damit ich zum Himmel steige."
Er sagte, "Du selbst bist die Leiter,
du musst auf deine eigene Schulter klettern:
wen du dich meisterst,
sind dir die Sterne untertan!
Tausend Wege werden sich dir
am Himmel zeigen,
fliegen wirst du zu Morgenröten
wie ein Gebet."
【散文訳】
すべてを神へ奉納する
友に、わたしは今日会った。
天にあって、この友は我が道を行く者だった
モハメッドの魂のように!
わたしは言った、梯子をくれ
そうしたら天まで登って行けるから。
友は言った、お前自身が梯子だよ、
自分の肩に登らなければならないのだよ、即ち
自分を自家薬籠中のものとすると
星々もお前の臣下となるのだ!
天にあっては、千もの道が
お前に示されることだろう
お前は朝焼けに向かって飛ぶことになるだろう
ひとつの祈りのように
【解釈と鑑賞】
引用されているこの詩には題がついていなかったので、わたしが勝手につけました。
何故かドイツ語のWikipediaがあります。
http://de.wikipedia.org/wiki/Dschalal_ad-Din_ar-Rumi
ゲーテのDivan(西東詩集)を愛する読者としては、ドイツ語圏にアラビアの詩人のWikipeidaのあることは、自然なことのように思われます。
この詩人はペルシャ語の詩人とあります。原文はペルシャ語です。
また、神秘思想家ともあります。
この神秘思想家の思想は、宇宙の中心の力は愛であること、この愛に基づいて、宇宙は成立しているという思想です。従い、宇宙は、どのような部分も愛によって相互に関連した調和のとれた全体であるというものです。勿論、その愛の関連は、唯一無二、神にのみ向けられているというのです。
この神の愛あるがゆえに、宇宙の構成要素はなりたっているという。
神秘思想家であり、その素晴らしさは、その思想を美しい詩、詩の美しさに移して表したところにあるとのことです。
Wikipediaに以下の詩がありましたので、これを訳して、この詩人の思想の理解の一助とします。
Komm, wer du auch seiest!
Wanderer, Anbeter, Liebhaber des Loslassens, komm.
Dies ist keine Karawane der Verzweiflung.
Auch wenn du deinen Eid tausendmal gebrochen hast,
komm nur,
und noch einmal: komm.
Wanderer, Anbeter, Liebhaber des Loslassens, komm.
Dies ist keine Karawane der Verzweiflung.
Auch wenn du deinen Eid tausendmal gebrochen hast,
komm nur,
und noch einmal: komm.
【散文訳】
来い、お前がだれであろうとも!
旅人であれ、崇拝する者であれ、解放を好む者であれ、来い、
これは、絶望の隊商(キャラバン)ではない。
たとえ、お前がお前の(神への)誓いを千回破ったとしても、
来るのだ、
そしてもう一度、来い
これらの詩は、深い詩情(die Poesie)を湛えています。
今の日本の詩人には、無論、書く事のできない詩です。
それが何故かを考えることは、大切なことだと思います。
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