2012年4月21日土曜日

第18週:Schwung (躍動) by Ernst Jandl (1925 - 2000 )



第18週:Schwung (躍動) by Ernst Jandl  (1925 - 2000  ) 

【原文】

wenn fünf
gedichte
pro tag
schreiben
ich will
muesste
ich schon
einen ziemlichen
Schwung haben

manchmal
sieht es
danach aus

manchmal
sehen
die Gedichte danach aus



【散文訳】


もし詩を5篇
毎日
書きたいと思ったら
きっと
わたしは、もう
かなり
乗っているに違いない

時には
そう見えるということだし

時には
それらの詩が
そうみえるということなのだ


【解釈と鑑賞】

Schwungという名詞を久し振りで目にしながら、これを英語のswing、スウィングとカタカナに訳すと、また違った味ができるかも知れないと思いました。

スウィングという題の詩です。

この詩人のWikipediaです。

http://de.wikipedia.org/wiki/Ernst_Jandl

オーストリアの詩人であり、作家です。ラジオドラマもよく書き、また劇作もふたつものしたとあります。

音楽家とのコラボレーションも多く、特にジャズの世界のミュージシャンとも一緒に仕事をしたとありますので、上記のようにスウィングと訳して、この詩を味わうことは、どうも、当たっていたようです。

このひとの伝記的記述を読むことは興味深い。

母親の早い死を歌った、この詩人の詩を掲げます。父親とともに、母親も芸術的な影響をこの詩人に与えましたが、また確執もあったとのことです。

„mutters früher tod
hat mich zum zweiten mal geboren
mit eselsohren
und der langen nase des pinocchio
so findet man mich leicht
ich bin verloren“

母の早い死のお蔭で
わたしは2度目の生を得た

ロバの耳を持ち
ピノッキオの長い鼻を持っているので
僕を駄目な奴だと
ひとは簡単に思ってしまうのだ

今日の掲題の詩と同じ調子があると思います。主題が何であれ。



0 件のコメント: