第19週:April (四月) by Kay Ryan (1945 - )
【原文】
Eine zu dicht betrachtete Blume
erbluehen in der falschen Farbe.
Uebermass an Beachtung macht
die Narzisse zum Enzian. Blumen
brauchen Ruhe, um ihre richtige
Färbung zu bekommen. Manche
öffnen sich nur um Mitternacht.
【散文訳】
余りに濃密に観察された花は
間違った色で咲く。
注意が過ぎると
水仙を龍胆(りんどう)にする。花々は
正しい色を手に入れるために
休息が必要だ。幾つもの花は
真夜中にだけ花開くのだ。
【解釈と鑑賞】
この女性詩人のWikipediaです。アメリカの詩人です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Kay_Ryan
間違った色、正しい色という言葉の使い方に、何かこの詩人の毅然としたものを感じます。
とは言え、歌っていることは、花に対する優しい気持ちだと思います。
水仙の花が、余りにも注視し過ぎると龍胆の花になってしまうという発想は、何か曰く言い難いものを伝えています。花々は深夜に咲くものだという言い方も、また同様に。