第14週: 無題 (鳩) by Lenka Chytilova (1952 - )
【原文】
Manchmal schreibt mir das Weibchen des Kuckucks:
Ein nest haben - weisst du -
das waere schoen -
aber ER würde sowieso
wegfliegen aus ihm
Und einen anderen nehmen -
der wiederum wäre nicht so gesprenkelt …
【散文訳】
鳩の(どうしようもない)雌が、よくわたしに手紙を寄越した:
巣を持つことよ、解る?
それは、いいことかも知れないと思う、
しかし、この女の捕まえる彼奴(あやつ)ならば、いづれにせよ
巣から逃げて、飛去ってしますことだろうよ
そして、また別の男を捕まえるということになる、
そいつも、また再び、前の男ほどには斑紋のない(魅力のない)奴かも知れないが…
【解釈と鑑賞】
この詩人は、チェコの詩人です。
わたしと同い年の詩人です。奇遇哉。
この詩人のWikipediaは、ありませんでした。
この詩人は、多分女性なのだと思いますが、この詩は、男性の声で書いています。
このvoiceの持ち主はは、男の鳩である。
いや、同性の女性の鳩かも知れません。
そう、読む方がいいかなと思います。
しかし、何故はわたしには、その声が雄の、男の声に聞こえる。
斑紋、斑点のある鳩というのは、鳩の社会では(人間から見て)身分が高いのか、価値のある鳩なのでしょうか。
それとも、その動詞、sprenkelnが他方反対に意味するように、譬喩(ひゆ)として意味する、汚れた奴という意味と掛け合わされているのでしょうか。
まあ、詩人の用語法としては、その方が魅力的ではあると思います。
この詩が、3月から4月に変わる第14週におかれているということに、何か意味があるのでしょう。
それは、どういう意味でしょうか。
暖かくなると、鳩の雄は家を出るのでしょうか。
鳩について詳しい方、あるいは、このような季節の変わり目に詳しい方のご教示をお待ちします。
追伸:
解釈と鑑賞は、癇癪と感傷に音が似ていると思った。