2012年1月14日土曜日

第4週:新しい家々 by Georg Heym (1897-1912)



第4週:新しい家々 by Georg Heym (1897-1912)

【原文】

Die neuen Haeuser

Im gruenen Himmel, der manchmal knallt
Vor Frost im rostigen Westen,
Wo noch ein Baum mit den Aesten
Schreit in den Abend, stehen sie ploetzlich, frierend und kalt,
Wie Piltze gewachsen, und strecken in ihren Gebresten
Ihre schwarzen und duennen Dachsparren himmelan,
Klappernd in ihrer Mauern schaebigem Kleid
Wie ein armes Volk, das vor Kaelte schreit.
Und die Diebe schleichen ueber die Treppen hinan,
Springen oben ueber die Boeden mit schlenkerndem Bein,
Und manchmal flackert heraus ihr Laternenschein.



【散文訳】

新しい家々

時折音を立てる紺碧の空の中で、
錆び付いた西の霜の前に
そこにはまだ、数々の枝を持った一本の木があって
夕べの中へと歩み入るのだが、紺碧の空の中で、新しい家々は凍えて寒くて突然立ち止まり
それはキノコが成長するように、そして自らの虚弱の中で
その黒く薄い屋根桁を天に向かって延ばしていて
家々の壁のみすぼらしい衣服の中でがたがたと音を立てながら
それは寒さの余り大股に歩いている貧しい民衆のようだ。
そうして、盗人が階段からこっそりと忍びより
ぶらぶらさせた片方の脚で床の上を飛び超えて
時折ランプの火の輝きが零(こぼ)れるのだ


【解釈と鑑賞】

Georg Heymという詩人のWikipediaです。

http://de.wikipedia.org/wiki/Georg_Heym

短命の詩人で25歳で亡くなっています。

初期表現主義の叙情詩人とあります。

初期という意味は、期せずして、その後文学史に現れる表現主義の先しょうであったという意味です。

屋根桁と訳した言葉は、Dachsparreですが、それがどのようなものかは、Goolgeの画像検索でご覧下さい。

http://goo.gl/aT1CB

次の詩を訳します。

今日の詩と、何か同じ情調があるのがおわかり戴けることでしょう。

RESIGNATION

Hoch ragt der Neubau in den Abendwind
Der sacht vom Flusse kommt gezogen.
Welle um Welle vertauschet sind,
In die Dämmerung fließen die Wogen.
Siehe, ein Feuerlein blinkt in die Nacht
Und es drängt sich von bleichen Gestalten
Von Fronden gehetzt, vor der Arbeit verwacht,
Sahst du, wie die Fäuste sich ballten.
Fern gen Süden die Schwäne sich reihn,
Wellen nach, Wogen nach sind sie verschwunden.
Sie fliegen zur Freiheit zum Sonnenschein.
Ach, uns sind ja die Hände gebunden.

【散文訳】

諦念

高く新建築が夕べの風の中に聳えていて
風は柔らかく河から引かれてやって来る。
波また波が入れ替わっている
夕暮れの中へと大波が流れ込んでいる。
見てご覧、小さな火が夜の中へと煌(きら)めいているよ
そして、その火は、蒼白な形象に、(フロンド党の)反乱に追い立てられて
犇(ひし)めき合っている
仕事のために管理されて
君は見ただろう、たくさんの拳骨(げんこつ)の膨れる様を
遠く南の方では、白鳥が整列していて
波の後、大波の後に、白鳥達の姿は消えてしまった。
自由へ、太陽の光へと飛んでいるのだ。
ああ、わたしたちの手は、実際縛られているのだ。



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