2011年9月17日土曜日

Lob der Kartoffel(ジャガイモ賛歌):第38週


Lob der Kartoffel(ジャガイモ賛歌):第38週

by Matthias Claudius (1740 - 1815)


【原文】

Pasteten hin, Pasteten her,
Was kuemmern uns Pasteten?
Die Kumme hier ist auch nicht leer
Und schmeckt so gut, als bonne chere
Von Froeschen und von Kroeten.
Und viel Pastet und Leckerbrot
Verdirbt nur Blut und Magen.
Die Koeche kochen lauter Not,
Sie kochen uns viel eher tot:
Ihr Herren, lasst euch sagen!
Schoen roetlich die Kartoffeln sind
Und weiss wie, Alabaster!
Sie daeun sich lieblich und geschwind
Und sind fuer Mann und Frau und Kind
Ein rechtes Magenpflaster.


【散文訳】

あっちへも、パイ、こっちからも、パイ
パイがあれば、何を憂うることがあろうか?
このボール(鉢)だって、実際空っぽにはならないさ
そして、フランス人が、蛙や蟇(ひきがえる)を食べて
bonne chereという位に旨いのさ
そして、たくさんのパイと美味しいパン
血と胃袋が腐るだけさ
コックはただただ必要に迫られて料理をする
コックは料理をたくさんつくって、俺たちを殺そうってんだ
お歴々の方々、一緒にこう言おうぜ!
ジャガイモは、赤みを帯びて美しい
そして、雪花石膏(アラバスター)のように真っ白だ!
ジャガイモは、おいしく、素早く、消化する
そして、男にも女にも子供にも
本当に胃袋の膏薬なのさ


【解釈】

ドイツ語のWikipediaです。この詩人の肖像画も載っています。

http://de.wikipedia.org/wiki/Matthias_Claudius

本当は、北海道生まれのわたくしは、ジャガイモではなく、馬鈴薯と書き、それもバレイショと読ませたかったのですが、読者には馴染みなきこともあらうかと、敢えて、ジャガイモと記した次第。

バレイショ賛歌もいいと思う。

ドイツというとジャガイモですが、このジャガイモの栽培を促進して、今のようにしたのが、18世紀のフリードリッヒ大王です。(http://goo.gl/JWZYL)

この王様の元で、この詩人も過ごしたことになります。

それで、ジャガイモの歌を書いたということなのでしょう。

コックはただただ必要に迫られて料理をする、と訳したところは、実際に当時は食料難だったからだと思います。

ジャガイモがあるので、需要に応じて、どんどん料理をつくって行くという状態だったのではないでしょうか。

そうして、コックは料理で俺たちを食わせ殺す(こんな言葉があるかどうか)位に、ジャガイモは人々を救ったのでしょう。

今の日本では、想像もできないことですが。



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