2011年8月20日土曜日

Was dagegen hilft (♀), Gesammelte Ratschlaege befreundeter Damen(だからどうなる(♀)、親しい御婦人方の助言集):第34週

Was dagegen hilft (♀), Gesammelte Ratschlaege befreundeter Damen(だからどうなる(♀)、親しい御婦人方の助言集):第34週

by Matthias Politycki (1955年生まれ)


【原文】

Frueh aufstehen und raus,
aufs Wasser schauen,
an Kaffeebohnen riechen,
Naegel lackieren,
zum Friseur gehen
und ansonsten: Weinen, Waermflasche, Wiedergeburt.

Bedingt hilfreich:
viel drueber reden,
den Arzt wechseln,
Struempfe hochziehen,
Schokoladennikolaeuse vom Vorjahr wegessen,
wahlweis’ zum Abschied sagen: Und bitte
rufen Sie mich auch nie wieder an.

Ganz und gar nicht hilfreich:
aufmunternde Worte,
Power-Shopping,
Kamilentee, Fencheltee, gruener Tee,
am allerwenigsten: der feste Vorsatz,
mit fremden Maennern zu flirten.

Am Ende hilft womoeglich dennoch
irgendwie alles,
wenngleich wenig
und immer nur kurz.


【散文訳】

朝早く起きて、外に出ること
水面(みなも)を眺めること
コーヒー豆の匂いを嗅ぐこと
美容室へ行くこと
その他には、泣く、保温ビン、新しく生まれ変わること

条件付きで役に立つのは、
たくさん話すこと
医者を替えること
靴下を上まできちんとはくこと
去年のチョコレートのニコラウスを食べてしまうこと
人を選んで、こう言って、お別れをいうこと:どうか
もう2度と電話をしないで頂戴ね。

全然役に立たないのは、
励ましの言葉、
大量に買い物すること
カミレの花のお茶、茴香(ういきょう)茶、緑茶
一番役に立たないのは、知らない男どもといちゃつくという
お堅い決心

最後に、それでもまあ、役に立つところで役に立つのは、
どういうわけか、すべて、なんでも、ね、
少ししか役にたたないけれど
そして、いつもほんの一寸の間しか、ね。


【解釈】

この詩人のドイツ語のWikipediaです。写真も載っています。

http://www.google.co.jp/webhp?sourceid=navclient-ff&refresh=1#max55

題名の、だからどうなると訳したドイツ語は、Was dagegen hilftですが、これを直訳すると、それに対して役に立つもの、ということになります。

生物学のメスのマークがついているので、「それに対して役に立つもの(メス篇)」といったところでしょうか。

それに対してのそれとは、女性の、それもどうも中年以降の女性と思われる女性の悩みのことをいっているのでしょう。

カミレの花のお茶は発汗作用があるそうです。

チョコレートのニコラウスというのは、Schokoladenniklaeuseと、一語になっているので、チョコレートでできたニコラウスという意味です。それも、複数形です。

あるいは、ニクラウスというひとで、チョコレートが大好きで有名なニコラウスという意味にも、文脈によっては、なるかも知れません。

これは、ドイツ語圏のGoogle検索では、やはりクリスマスに飾られるか、食べられるお菓子のようです。画像検索に、確かに、チョコレートのサンタクラウスがありました。

最後の連は、何をいっているかというと、主語は「すべて」なのです。

なんだっていいんです、このようなご婦人方にとっては。

すべてが、一時の慰め、といってしまっては、身もふたもありませぬが。

まあ、こんな詩を書いた詩人が男性というところが、おかしい。

多分、女性の詩人には、このような女性についての詩は、書けないのかも知れません。

そうしてみると、題名のWas dagegen hilft (♀)も、だからどうだってんだ、どうなるものでもねえだろう、あったりめえよ(メス篇)と解すると、まあ、この詩人の女性に対する色々な経験がおもわれて、これはこれで、男性としては、楽しいかも知れません。

今日の筆は、ここまで。

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