悲歌1番1連
【原文】
Wer, wenn ich schriee, hörte mich denn aus der Engel
Ordnungen? und gesetzt selbst, es nähme
einer mich plötzlich ans Herz: ich verginge von seinem
stärkeren Dasein. Denn das Schöne ist nichts
als des Schrecklichen Anfang, den wir noch grade ertragen,
und wir bewundern es so, weil es gelassen verschmäht,
uns zu zerstören. Ein jeder Engel ist schrecklich.
Und so verhalt ich mich denn und verschlucke den Lockruf
dunkelen Schluchzens. Ach, wen vermögen
wir denn zu brauchen? Engel nicht, Menschen nicht,
und die findigen Tiere merken es schon,
daß wir nicht sehr verläßlich zu Haus sind
in der gedeuteten Welt. Es bleibt uns vielleicht
irgend ein Baum an dem Abhang, daß wir ihn täglich
wiedersähen; es bleibt uns die Straße von gestern
und das verzogene Treusein einer Gewohnheit,
der es bei uns gefiel, und so blieb sie und ging nicht.
O und die Nacht, die Nacht, wenn der Wind voller Weltraum
uns am Angesicht zehrt -, wem bliebe sie nicht, die ersehnte,
sanft enttäuschende, welche dem einzelnen Herzen
mühsam bevorsteht. Ist sie den Liebenden leichter?
Ach, sie verdecken sich nur mit einander ihr Los.
Weißt du's noch nicht? Wirf aus den Armen die Leere
zu den Räumen hinzu, die wir atmen; vielleicht daß die Vögel
die erweiterte Luft fühlen mit innigerm Flug.
Wer, wenn ich schriee, hörte mich denn aus der Engel
Ordnungen? und gesetzt selbst, es nähme
einer mich plötzlich ans Herz: ich verginge von seinem
stärkeren Dasein. Denn das Schöne ist nichts
als des Schrecklichen Anfang, den wir noch grade ertragen,
und wir bewundern es so, weil es gelassen verschmäht,
uns zu zerstören. Ein jeder Engel ist schrecklich.
Und so verhalt ich mich denn und verschlucke den Lockruf
dunkelen Schluchzens. Ach, wen vermögen
wir denn zu brauchen? Engel nicht, Menschen nicht,
und die findigen Tiere merken es schon,
daß wir nicht sehr verläßlich zu Haus sind
in der gedeuteten Welt. Es bleibt uns vielleicht
irgend ein Baum an dem Abhang, daß wir ihn täglich
wiedersähen; es bleibt uns die Straße von gestern
und das verzogene Treusein einer Gewohnheit,
der es bei uns gefiel, und so blieb sie und ging nicht.
O und die Nacht, die Nacht, wenn der Wind voller Weltraum
uns am Angesicht zehrt -, wem bliebe sie nicht, die ersehnte,
sanft enttäuschende, welche dem einzelnen Herzen
mühsam bevorsteht. Ist sie den Liebenden leichter?
Ach, sie verdecken sich nur mit einander ihr Los.
Weißt du's noch nicht? Wirf aus den Armen die Leere
zu den Räumen hinzu, die wir atmen; vielleicht daß die Vögel
die erweiterte Luft fühlen mit innigerm Flug.
【散文訳】
もしわたしが叫んだならば、天使たちの位階の秩序のいづれの天使が、わたしのこの叫び声を聞いてくれるだろうか、そして(来る筈はないが)たとえ仮にその天使たちのひとりが突然やってきて、わたしをその心臓、その胸に抱いたとしても、わたしは、天使の今ここにそのようにしてあるあり方が、わたしの同じあり方よりも強いので、わたしは衰弱し、滅んでしまうだろう。なぜならば、美しいもの、美しきものは、驚くべきこと、恐ろしいことの始まり以外のなにものでもないからであり、わたしたちは、かろうじてその始まりには堪えるし、またそのように、美しきものに驚くわけだが、それは、美しきものが、わたしたちを破壊することを、平然と軽んじ、無視しているからなのだ。ひとりひとりの天使はどの位階の天使であっても恐ろしい。そうして、そうであれば、そのようにわたしは振舞い、暗いすすり泣きの叫び声、天使をわざわざ呼ぶようなすすり泣きの呼び声をたてずに飲み込むのだ。ああ、わたしたちは一体だれを必要としているのだろう。天使ではなく、人間でもないことは明らかだ。しかし、目ざとい動物たちは、わたしたちが、この解釈された世界の中で、どんなところであれ棲みかとしているところでは、余り信頼がおけないということに既に気づいている。ひょっとしたら、わたしたちが毎日なんども見ているのだとして、それが崖に掛かった一本の何かの木ならば、わたしたちのところに留まるかも知れないし、昨日通った通りが、わたしたちのもとに留まることがあるし、それから、わたしたちのところで気に入られた習慣があって、その習慣が、歪んでいても、信頼のおける存在であったのであれば、実際そのようにその習慣は残って留まったし、去ることがなかった。ああ、そして夜だ、夜だ、宇宙空間で一杯になった風が、わたしたちの顔を食み、食い尽くすたびごとに、夜が来る。夜ならば、だれのもとに留まらないだろうか、この待ち焦がれた夜、優しく幻滅させる夜は、ばらばらになった孤独なこころの前に、苦しみ疲れて立つ夜は。愛する人たちのもとでは、そうではなく、夜はもっと軽いのだろうか。なにを言っているんだ、愛するひとたちというのは、自分たちの運命を、ただ狭く互いに隠しあっているだけではないか。お前は、それにまだ気づかないのか。だったら、わたしたちのこうして呼吸している数多くの空間に向けて、両の腕の中から外へと、空(から)の空間を投げつけて付け加えてみるがいい。ひょっとしたら、それで、鳥たちが、よりひろくなった空気を感じるかも知れない。鳥は、わたしたちよりもより親密に内部を飛行するから。その方が広くてずっといいだろう。
【解釈と鑑賞】
ひとつの言葉の説明をしようとすると、この1番の悲歌にあるほかの言葉はもちろん、ほかの悲歌にあるほかの言葉も説明をしなければならなくて、すべてがすべて互いに関係していて、全く網のめのよう、芋づるのようだ。どこから手をつけたらいいのだろう。
一体天使とはなんだろうか。これを説明するためには、若くして死んだ死者の話をしなければならない。その死者の話をすると、この1番の冒頭の一人称の説明をしなければならない、そうしてそれを説明すれば、わたしたちといっている一人称複数の説明をしなければならない。
それから、何故わたしは叫んでいるのだろう。何故天使は、わたしにとって、恐ろしいのだろう。私たちは、それでは、一体だれを必要としているのだろう。なぜ解釈された世界では、わたしたちは信頼がおけないのだろう。それは何故動物は知っているのだろう。なぜ留まるもののことを歌っているのだろう。なぜ夜は、孤独のこころに、疲れて立つのだろう。愛するひとたちとは何だろう。空の空間を、呼吸している空間に投げつけて加えるとは何だろう。立てるべき問いは、たくさんある。これらの問いに答えよう。
まづ天使とは何かを考え、解釈しよう。これを知るためには、1番の最後の連を読まなければならない。またこの連を原文であげ、散文訳をつけ、解釈と鑑賞を書かなければならないのだ。困ったことだ。こうして、わたしの理解した順序を伝えるためには、書かれた詩の順序通りにつたえることができないのだ。しかし、そもそもは、詩がそのようにできているからだ。悲歌は、そのように書かれている。
天使とはどのような存在かを知るために、それでは、悲歌1番の最後の連を読み、それから最後から2連目を読み、そうして、悲歌2番の2連目を読んで、また必要に応じて、あちこちの連を参照しながら、考えを進めることにしよう。明日は、悲歌1番の最後の連を。
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