第8週:Wintererzählung(冬物語)by Jacek Gutorow(1970~ )
【原文】
Den ganzen Tag lang fiel ein dichter Schnee.
Er fiel und fiel. Verschneite die Gedanken.
In den Augen der Vorübergeheneden
fiel auch Schnee. So dicht,
daß kein Zweifel bestand:
Schließlich würden alle in der Sprache
des Schnees sprechen, kaum
hörbar, leise raschelnd eine ganze Nacht lang
und den ganzen nächsten Tag.
【散文訳】
終日、びつしりと、濃く厚い雪が降つった。
振りに降つた。雪は、数々の思考を閉ぢ籠めた。
通り過ぎて行く者たちの眼の中では
雪もまた降るのだつた。かくもびつしりと濃く厚く降るので
疑ふことが無いほどにまで。
遂には、すべての人々は、雪の
言語で話をするかも知れない、ほとんど
何も聞こぬ声で、一晩中微かにかさかさと音を立てながら
そして、翌日も終日さうであるかも知れない。
【解釈と鑑賞】
この詩人は、ポーランドの詩人です。
Googleで検索しても、日本語の解説の言葉が出て参りませんので、日本では無名の詩人です。
ひよつとしたら、本邦初訳であるかも知れません。
ポーランドの冬の日。確かに、雪が降れば、周囲の、外界の音は熄(や)み、この詩のやうな世界が生まれる。
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