2005年12月2日金曜日

So Forth 2


So Forth 2

The khairein takes place in the name of truth: that is, in the name of knowledge of truth and, more precisely, of truth in the knowledge of the self. This is what Socrates explains (230a). But this imperative of self-knowledge is not first felt or dictated by any transparent immediacy of self-presence. It is not perceived. Only interpreted, read, deciphered. (Dissemination > Pharmakon by Jack Derrida)

自己を知るために、主語である支配者の秘密を知るために、今日も言葉の聖杯探究の旅に出よう。

さて、今日も、Joseph Brodskyの詩集SO FORTHから。So Forthの第1連を。これはベルリンの壁の崩壊した1989年の作品です。やはり、どう考えても、政治の壁は、儚いものだとぼくは思う。すべて、このような無駄なことは、お金のためになされたことなのだということが、今よくわかる。そのようなもの達に災いあれ。さあ、今日も一緒に垂直の旅に出る事にしよう。

またSix Years LaterやA Songのように、少しづつ、1連づつ解釈してみよう。
今日の解釈と翻訳を、こうして明日の種としたい。

【原文】

So Forth
Joseph Brodsky

Summer will end. September will come. Once more itユs okay to shoot
duck, woodcock, partridge, quail. メYouユve grown long in the tooth,モ
a belle may sigh, and youユll cock up your double-barrel,
but to inhale more oxygen rather than to imperil
grouse. And the keen lung will twitch at a sudden whiff
of apricots. On the whole, the world changes so fast, as if
indeed at a certain point it began to mainline
some muck obtained from a swarthy alien.


【訳】
夏が終わる。秋が来る。もう一度、鴨、山鷸(やましぎ)、山鶉(やまうづら)、鶉(うずら)を撃っても良いのだ。「お前も、長く、世間と自然の波風に打たれて立派になったもんだねえ」と、ある粋な女がいうかも知れないが、そしてこう来る、連発式散弾銃の撃鉄を上げ、狙いを定めるんだよ、でも、鳥を撃って絶滅するまでやろうと思っちゃいけないのよ、それよりも、もっと酸素を胸一杯に吸い込みなさい。すると、鋭敏なる肺は、アプリコットの撓(たわ)わな実がその芳香を突然発すると、ドキッとする。恰も、本当に、ある点において、暗い色をしたよそ者から分捕った、地味豊かな土地の土を注射器で第1静脈に注射し始めるかのごとくに、総体として、世界は速く変化しているのだ。


【解釈】
1.詩とはこのように作るものか。というよりも、詩とはこのような所で誕生するのかと、第1連を読んで思う。どの連も互いに関係し、どの連のどの言葉も他の連の言葉と関係する。その関係を生むのは、言いたいことであり、形象です。形象というよりは、やはり概念、活き活きとした概念だ。これ以外にいいようがない。概念は血であり、血脈であり、血流、生きていることの証だとつくづく思う。

2.詩の産まれるポイントを、Brodskyはandと呼んでいる。この詩の大文字で始まる言葉を洗い出すと次のようになる。

Summer, The point, Not, And, But, That, Travel

この7つの言葉だ。これはとても深い意味があると僕は思う。Brodskyの詩は、多分、すべてこの7つの言葉からなっている筈だ。これだけでももう相当な世界だ。この7文字がBrodskyの詩の世界のelements、諸元素である。

訳もまづこのように訳してみて、追々修正をしよう。Brodskyのある詩にあったように、Brodskyの考えでは、キャビアをものにしたら、鮫は不要、わざわざ釣る必要はないからである。本質こそ先。本質とは何かという問いは別にして。しかし、本質とは何かという問いの答えをわたしは知っている。それは、この問い、何々とは何かという問いに既にある。本質は関係にあるのだ。そうであれば、この詩も、関係についての詩、そのthe pointが何かと何かの関係にあるという詩だ。このthe pointは、ぼくならば、臍(へそ)と呼ぶがなあ。

3.鳥の種類の名前は正直いって、その細かな違いがわからない。しかし、辞書をひいいてわかるのは、これらの鳥はgame birdだということ、狩猟のための鳥だということである。

4.確かに、その通りだ。鳥を撃とうとして、鳥に狙いを定めて鉄砲を撃っても、鳥には決して当たらない。時差があるから、鳥(対象)は移動するから。そうして、狙撃者と対象との間には距離があるからだ。だから、射手は時間差と対象の動きの先を予測をして、撃鉄を起こさなければならない。奇妙な話だが、対象のないあるpointを狙って撃つ事になる。これは、ぼくたちが普通の生活の中で経験していることだけれども。

5.やはり、題名に触れないわけにはいかない。SO FORTHとは、ANDをその前に隠した、ANDと言う論理積の演算の結果生まれた様々な物事のことである。On LoveというSA Part of Speechという詩集の中の一篇をぼくは訳したが、その連載のOn Love 5の解釈で使った論理の名前でいえば、否定論理積というべきものである。しかし、このようなうつろいゆくものは論理ではないし、実際にこのような論理計算の名前はない。その一瞬を否定すること、というのではまだいい足りず、その一瞬という変化点を幾つも抽象化して濃縮してthe pointを見つけて命名すること。それが、この詩人の詩である。他の詩人達もぼくは同じだと思う。

6.この連に出てきたa belleは、第4連にもthe belleとして出て来る。第1連のこのbelleの言葉が、別にの言い方で言われる。もっと直裁に。そこでこの第1連の比喩はもっと生きることになる。The belle was right. 世界が変化するときの速度、speedというものは、こういったものなのだと、第1連のa belleはいいたかったのだと第4連でいわれている。第1連と第4連の間にふたつの連があって、それぞれ、このthe point、対象が動き、照準を合わせるそのポイントが何かが歌われている。だから、第2連の第1行に、詩人は、The point, of course, is not autumnと書くのであり、第3連の第1行に、詩人は、That goes for autumn; that goes for time per seと書くのだ。つまり、The point is not autumn, that goes for time per seなのだ。このforの感じがおわかりだろうか。Thatということばは、動いている対象とそれを狙っている射手の視線とこのふたつの全体を指す。この全体は動いているのだろうか、とまっているのだろうか。


【語釈】
0. duck
Main Entry: 1duck
Pronunciation: 'd&k
Function: noun
Inflected Form(s): plural ducks
Usage: often attributive
Etymology: Middle English duk, doke, from Old English duce
1 or plural duck a : any of various swimming birds (family Anatidae, the duck family) in which the neck and legs are short, the body more or less depressed, the bill often broad and flat, and the sexes almost always different from each other in plumage b : the flesh of any of these birds used as food
2 : a female duck -- compare DRAKE
3 chiefly British : DARLING -- often used in plural but sing. in constr.
4 : PERSON, CREATURE

0.1 woodcock
0.2 partridge
0.3 quail

1. belle
1-1 double-barrel
2. cock

2.2 noun
3. grouse
4-1 keen
4-2 whiff
4-3 twitch
5. apricot
6. mainline
6-1. muck
7. swarthy
8. alien
9. puny
10. motion
11. mandatory
12. hedgehog
13. profile
14. odd
15. halo
16. speed
17.  pile
18. yonder
19.  afterlife
20. scurry
20.1 scamper
21. tremor
22. hanky
23. flit
23.1 erratice
24. decreptiude
24.1 decrepit
25. loom
26. tan
26.1 tan
27. haze
28. defy
29. speckle
29.1 speckle
29.2 speck



0 件のコメント: