2014年8月31日日曜日

【西東詩集83】 Maedchen(娘たち)


【西東詩集83】 Maedchen


【原文】

Maedchen

Merken wohl, du hast uns eine
Jener Huris vorgeheuchelt!
Mag schon sein! wenn es nur keine
Sich auf dieser Erde schmeichelt.


【散文訳】

娘たち

よおく覚えておおきなさい、お前さんはわたしたちに
(ズーライカのことを)天国にいる永遠の処女たちの一人だと偽ったのですよ!
いいでしょう、それも。もし、この地上では、どんな
永遠の処女も自らを慰めることが全くないならば。


【解釈と鑑賞】

詩の中に出て来るHuriは、回教の世界の天国にいる永遠の処女と辞書にはあります。

前のハーテムの歌で、それならば、ズーライカはこの地上にはいない、天国にいる永遠の処女ではないか、そんなものはいやしないのだと、娘たちは答えて歌っているのです。

こういうやりとりは、何か古典的な様式を思わせるだけではなく、何かこう人間の男女の本質的なやりとりだという気がします。


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